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Interview

角川歴彦・KADOKAWA会長 独創性あふれる料理目指す 初のレストラン業界に進出

記者会見後、インタビュー応じるKADOKAWA会長の角川歴彦さん=東京都千代田区で2018年5月17日、山口敦雄撮影

 出版大手のKADOKAWAは29日、デンマーク・コペンハーゲンの人気レストラン「noma(ノーマ)」のヘッドシェフと提携し、東京都千代田区の自社ビル内に「INUA(イヌア)」を開業する。レストラン業界への進出は同社初、出版社の参入自体も異例だ。同社の角川歴彦会長にレストラン進出について聞いた。

     ノーマは、2003年にコペンハーゲンで創業。全てデンマーク産の食材を使い、その独創性のあるメニューなどから、英『Restaurant』誌の「世界のベストレストラン50」で4度、1位に選ばれている。15年、角川会長がコペンハーゲンのノーマを訪れた際、独自性を重んじる気風に共感を覚えたのが提携のきっかけになった。

     レストラン名「イヌア」は、デンマーク領グリーンランドに暮らすイヌイットの言葉で「生きとし生けるものに内在する精神」の意味。イヌアのシェフのトップにはトーマス・フレベルさんが就く。腕前を紹介する映画が製作されるほど著名なノーマのヘッドシェフ、レネ・レゼピさんの下で現場を指揮してきた人物だ。イヌアでは日本の食材を中心に使用する。「ノーマで食事をした時に14品中、10品くらいは想像できない料理だった。彼らが培っているものを文化として受け入れていきたい。日本の食材で驚きを与えてくれるのではないか」と期待をこめた。

      ■  ■

     なぜ出版社である同社がレストランに参入するのか。角川会長は「レストランもコンテンツ。『モノからコトへ』というが、『コトの時代』とは何かと誰も言っていない。『コト』とは何か、僕なりの答えを出した」と強調する。シェフが料理を創作するプロセスは、編集者が新しいコンテンツを生み出すプロセスと似ていると感じている。運営会社の社長には、同社の書籍編集者であった郡司聡さんをあてた。ノーマについて「個々のシェフが創造性を持って料理を作り出している」と話した。

      ■  ■

     急増するインバウンド(訪日外国人)に対して新たな日本の魅力を伝えるという狙いもある。「日本はまだ高級レストランの空白がある。一部の料亭くらいしか残っていなく、新しい料理も台頭していない。庶民的なB級グルメがその空白をカバーしてきたが、20年のオリンピックに向けてスポーツホスピタリティーを考えた時、接待などに使えるレストランが足りない」。そこで、その「空白」を埋めるのがイヌアだという。

     「KADOKAWA富士見ビル」の9階にイヌアは入居する。メニューはコースのみで、2万9000円(税別、飲み物・サービス料別)と高めな設定だ。

     昨年6月、自身3冊目の著書となる『躍進するコンテンツ、淘汰されるメディア』を出版し、自社を「躍進するコンテンツを体現する会社を目指す」としている。日本から世界にコンテンツを発信するに当たり、「食」のイヌアもまた立派なコンテンツであり、同社の重要な戦略の一つだと位置づけている。

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     20年に新たなオフィスと本の製造・倉庫機能などを集約し、図書館、美術館、ホテルなどを併設する「ところざわサクラタウン」(埼玉県所沢市)構想を打ち出している。「闘う出版人」と呼ばれる角川会長の新たなコンテンツ戦略「イヌア」の成否が注目される。【山口敦雄】

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