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踏み跡にたたずんで

書店での出会い=小野正嗣

 自作の英訳が刊行された機会に、アメリカの版元に招かれ、シアトル、ダラス、ヒューストン、ポートランドにある独立系の書店を訪れた。

 それぞれの書店が本を売るだけでなく、著者を招いたり読書会を開催したりするなどして、本との関わりを通して、地域の人々をつなぐ役割を果たしている姿が好ましかった。おいしいコーヒーや紅茶を飲もうとカフェに来る人もいれば、時間つぶしでふらっと立ち寄る人もいるように、書店にもさまざまな接し方がある。とくに読書が好きでない人にも扉はつねに開かれている。

 各種のイベントにお客さんの積極的な参加を促す自由な雰囲気を、書店員たちが築いているからか、客もよく…

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