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炎のなかへ

/174 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

その夜(9)

 タケシはもともと理屈が得意だった。幼い頃はあまり生意気な屁(へ)理屈をいうなと、大人に叱られたこともある。筋道を立てて考えるのが好きなのだ。だが、この焼夷(しょうい)弾の雨のなか逃げ道を見つけだすのは、大好きな建築の構造を考えるのとは訳が違っていた。間違えれば命はないのだ。それも自分だけではない。時田家の七人全員の命が危ない。

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