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社説

6・12会談へ 周辺国の関与 6カ国の枠組みは有用だ

 初の米朝首脳会談で非核化の合意ができても、その実現には中露などが制裁の継続などで足並みをそろえることが不可欠になる。その後の朝鮮半島の平和維持にも日本を含めた関係諸国の協調が必要だ。

     懸念されるのは米中関係だ。当初はトランプ米大統領の要請に応じて習近平国家主席が北朝鮮への圧力を強めるなど協調姿勢もみられた。しかし、次第に主導権争いの側面が垣間見えるようになった。

     米中間では貿易紛争が深刻化し、台湾や南シナ海をめぐっても対立が続いている。トランプ氏は一時、中朝首脳会談後に北朝鮮が強硬姿勢に転じたと不信感を示した。

     米中の覇権争いが絡めば、非核化のプロセスにも悪い影響を与えかねない。例えば、中国が独自に制裁緩和に動けば、北朝鮮が非核化に真剣に取り組まなくなる恐れがある。

     北朝鮮が非核化に応じた場合、中国が韓国配備の「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」撤去を求める可能性もある。それでは非核化のプロセスが複雑化しかねない。

     中国は朝鮮戦争に参戦し、休戦協定に署名した当事者だ。平和実現にも責任がある。米朝が非核化で合意に達すれば、その履行に最大限協力するのが筋だろう。

     朝鮮半島には周辺大国に翻弄(ほんろう)されてきた歴史がある。その再現を嫌う韓国への配慮は必要だが、朝鮮半島を含めた北東アジアの平和維持には関係諸国がそろって参加する安全保障メカニズムの構築が求められる。

     すでに南北と日米中露の6カ国協議の枠組みが存在する。この枠組みを生かすことが一番の早道だ。米中両大国の思惑に左右される事態を避け、日本が発言力を保つことにもつながる。ロシアも支持している。

     米朝首脳会談を前に日米はカナダでの主要7カ国(G7)首脳会議、中露は中国・青島での上海協力機構首脳会議に参加する。

     相互にけん制し合うより、北朝鮮の非核化、朝鮮半島の平和構築という共通課題の実現に向けた協調姿勢を示す時だ。

     米中、米露の対立は国際社会の大きな不安定要因だ。北朝鮮の非核化という共通目標の実現で協力することができれば、大国間の不信を解消することにもつながるはずだ。

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