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気象庁が運用を始めた新しいスーパーコンピューター。計算速度は従来の約10倍だ=東京都清瀬市で

 気象庁は、気象計算をするスーパーコンピューターを更新し、15時間先の降水量や2週間先の気温など、これまでより詳しい気象情報の提供を始める。防災や日常生活に役立ててもらうのが狙いで、担当者は「台風や集中豪雨の発生をいち早く把握し、避難勧告など自治体の防災対応の迅速化につなげたい」としている。

    夕方に翌朝の大雨予測

     ●スパコン更新

     新しいスパコンは、東京都清瀬市の気象衛星センターに設置。計算速度は1秒間に約1京8000兆回で、従来の約10倍に高まった。5日から運用がスタートした。

     毎時間の降水分布などの予報や結果を組み合わせて、将来の降水分布を予測する「降水短時間予報」が、これまでの6時間先から15時間先まで可能になる。夕方の段階で、翌朝にかけての警報級の大雨の可能性を知ることができる。今月下旬に予報を始める方針だ。この情報を基に自治体は防災体制を整えたり、住民に避難を呼び掛けたりできるという。

     台風周辺の降水や風などの予測精度も向上する。今年度末までに、中心気圧や最大風速など台風の強度予報を現在の3日先から5日先まで計算できるようになるため、早い段階から防災行動計画(タイムライン)を立てることが可能になる。また、これまで1~2週間先に極端な温度変化があると予測される場合に発表してきた「異常天候早期警戒情報」もリニューアルし、8日~2週間先について、おおよその最高気温や最低気温を毎日知らせる計画もある。

     さらに、複数回にわたって数値予測を行い、確度を高める「メソアンサンブル予報」という方法も取り入れる。この方法により、昨夏の九州北部豪雨などでみられた、積乱雲が次々発生して帯状に連なり豪雨をもたらす「線状降水帯」の予測精度などが高まるとしている。

     新スパコンは、米クレイ社製で、日立製作所が保守業務を担当する。今後5年間で約60億円をかけて運用することにしている。

    今年2月の記者会見で手話通訳を試験導入した=気象庁提供

    緊急会見に手話通訳

     ●熟練チーム検討

     一方、気象庁は災害が発生した際に開く緊急記者会見の内容を、手話で同時通訳する「手話通訳」を導入する方針だ。今年2月の定例記者会見で試験的に実施し、可能だと判断した。今後、手話通訳士や有識者らと協議した上で、早ければ今秋にも運用のめどをつける。

     気象庁の緊急記者会見は、震度5弱以上の地震発生時や、津波注意報や大雨の特別警報の発表、火山噴火の際などに開かれる。しかし、会見内容は音声で伝えられるため、映像で伝達する際にはメディア側がテロップをつけて対応する必要があった。

     手話通訳を取り入れた記者会見は、手話通訳士が会見者の隣に立って中継することを想定。専門的な気象用語をどうわかりやすく説明するかなどが課題で、リアルタイムでスクリーンに発言者の言葉を文字おこししながら発信する方法も研究する。

     手話通訳の導入について、気象庁と協議を進めている東京手話通訳等派遣センターによると、都内の手話通訳士は約600人(今年4月現在)で、災害発生時の緊急派遣にも対応が可能だという。センターの担当者は「大雨などについての手話の表現は、高い技術が要求される。熟練の手話通訳士のチームを作ることも検討している」と話した。【最上和喜】

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