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的川博士の銀河教室

502 今年の夏は天体ショー 肉眼で楽しめる惑星の姿

 地球公転軌道(ちきゅうこうてんきどう)はかなり円に近いのですが、地球のすぐ外側を回る火星(写真)の軌道(きどう)は少しだけ細長い楕円形(だえんけい)です。火星はおよそ2年2カ月ごとに地球への接近を繰(く)り返していますが、地球に接近する位置が毎回ずれていって、同じ「接近」でも、距離(きょり)が最大と最小で2倍も違(ちが)うのです(図1)。

     今年は15年ぶりの火星大接近。7月31日の最接近が5759万キロで、かなりすごいです。そして、最接近の前後数週間は距離があまり変わらないで、マイナス3等星以上の明るさを維持(いじ)しますから、観測には絶好のチャンスですよ。

     今年の夏は、いろいろな惑星(わくせい)の姿を次々(つぎつぎ)と肉眼で楽しめます。すでに5月10日に木星が最接近しており、その近くに月が光っているのが見えますが、6月28日には土星、7月31日には火星と、次から次へと惑星が地球に最接近して同じ夜空に並ぶので、惑星の美しく整列している姿を楽しんでください。三つの惑星が連続して最接近し同じ日に並んで見えるのは、1922(大正11)年以来、96年ぶりだそうですよ。皆(みな)さんも今回見逃(こんかいみのが)したらほぼ見ることが不可能になるから、ぜひトライしてね。

     いちばんの見どころは、火星大接近の7月31日の前後数日。8月上旬(がつじょうじゅん)には、これに宵(よい)の明星である金星までが加わります。まず、西の地平線近くにひときわ明るい金星。ちょっと左(南西)には、薄茶色(うすちゃいろ)の明るい木星、さらに左(南~南東)の暗い空には、周囲の恒星(こうせい)を圧して輝(かがや)く黄色の土星、そして、南東の地平線近く、最接近を過ぎたばかりの赤い火星--色とりどりの素晴らしいスペクタクルです。想像しただけでワクワクしてきます。

     おすすめの時刻は、日没(にちぼつ)から30分ぐらいしてから2時間ぐらいの間がいいでしょう。日が暮れた直後は少し明るいから土星が見づらく、かといってあまり遅(おそ)いと金星が沈(しず)んだり見えづらかったりするのですね。おなじみの惑星が四つ、少しずつ近づきながら、8月いっぱいくらいまでは同時に見える、この一生に一度のチャンスを、逃(のが)すものかと頑張(がんば)ってください。しかも、8月半ばからは、この惑星たちに月が次々に近づきます。やせた月が毎日少しずつ太りながら惑星を訪問する様子を、スケッチして絵日記に残していくといいかも(図2)。ぜいたくな夏になりそうです。


    的川泰宣(まとがわやすのり)さん

     長らく日本の宇宙開発の最前線で活躍(かつやく)してきた「宇宙博士」。現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉(めいよ)教授。1942年生まれ。


    日本宇宙少年団(YAC)

     年齢・性別問わず、宇宙に興味があればだれでも団員になれます。 http://www.yac-j.or.jp


     「的川博士の銀河教室」は、宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、的川泰宣(まとがわやすのり)さんが解説するコーナー。毎日小学生新聞で2008年10月から連載(れんさい)開始。カットのイラストは漫画家(まんがか)の松本零士(まつもとれいじ)さん。

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