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群馬・太田 ジャパンスネークセンター ヘビにふれあえる動物園 /東京

生態研究にも力入れ

 ニョロニョロ動くヘビが苦手な人は多い。群馬県太田市に、世界でも珍しいヘビの動物園「ジャパンスネークセンター」がある。ヘビに触れられ、採毒の様子も見られ、生態などの研究もしていると聞く。パンダ好きと違って、多数派とは言いにくいヘビ好きの“聖地”を訪ねた。【大迫麻記子】

     東武鉄道藪塚駅を降り、左右の田んぼを見ながら10分歩く。坂道を上ると入り口だ。

     センターの目玉イベントは「ヘビとのふれあい」タイムである。研究員の田辺暢哉さん(23)が、全長約1メートル、褐色のボールニシキヘビを手に採毒室で説明する。「アフリカに生息し、唇で熱を感知し、上あごでにおいを判別します」。田辺さんが同県渋川市から来館した中島沙彩さん(26)に手渡した。「ベタベタしているかと思ったら、乾いている」と中島さんは驚いていた。

     次は採毒の実演だ。堺淳主任研究員(62)がハブを持ち上げ、目の後ろにある毒腺部分を軽く押す。長さ1・5センチの牙端から黄色い透明の液体がしたたり落ちる。ヘビ毒は種類が多くて成分が多岐にわたる。医薬品に使われている有効成分も多いらしい。

     温室で「トウブグリーンマンバ」を見た。草色の体が鮮やかだ。実は2008年に東京で、無許可で飼育していた飼い主をかみ、重体にさせた“犯人”らしい。警察に押収され、センターで保護している。毒ヘビの飼育は動物愛護法で規制されている。でも、こうした無許可飼育は絶えないという。

       □    □

     センターはヘビの研究機関でもある。5人が研究員がハブの生態や駆除法、ヘビの分類などを研究している。製造した毒ヘビ・ヤマカガシの血清は20人が使い、昨年は小学生2人の命を救った。年間500件以上のメールや電話相談に無料で応じ、学校や医療機関で講演もする。

     だが、センターの運営は順調でないらしい。主な収入源は入場料だが、開館当初に年15万人あった来場者も、近年は3万人にとどまる。このため、スネークファンクラブ会員(大人年2000円)を募集し、ぬけがら(600円~)・ハブの牙(写真とセットで1300円~)も販売し、収入アップを図っている。

     たしかに、園内は未改修で老朽化が目立つ。でも、そうした環境とヘビとのコラボは異様な迫力を醸し出しているようだ。ヘビは夕方にモゾモゾと動き出す。この際「夏休み肝試しナイトツアー」を実施してはどうだろう。ヘビをお化け扱いするようで、ちょっと気が引けるが、ヘビの夜の生態を学べるし、入場者も増えるのでは--などと思いながらセンターを後にした。

    血清の供給源にも

     センターの正式名称は一般財団法人日本蛇族学術研究所で、日本でも有数のヘビの研究機関だ。約2万1000平方メートルの敷地に約80種2000匹のヘビが飼われる。

     1965年オープンと歴史もあり、この地は日照条件や豊かな草木がヘビの生育に適していた。設立したのは漢方薬業者の毬山利久氏だ。マムシ酒の製造もしていた毬山氏が、ヘビ研究者の沢井芳男東大教授に誘われ、奄美を訪ねるハブ調査団に参加したことがきっかけになったという。

     毬山氏は奄美でハブにかまれて体を腫れ上がらせた人など悲惨な実情を見て衝撃を受けた。そして、ヘビの生態や血清を研究し、教育機関にもなる施設の設立を決意し、私財を投じた。初代所長は長谷川秀治・元群馬大学長だ。

     ヘビ毒研究が専門の名城大学・二改俊章教授は「日本でマムシにかまれる被害は年3000件も起きている。ペット需要も増え、ヘビは身近な生き物。その生態が学べ、血清の供給源でもある研究所は貴重」と話している。


     ■メモ

     群馬県太田市藪塚町3318。車は北関東自動車道 「太田藪塚IC」より東へ約10分。電車は東武桐生線「藪塚駅」より徒歩10分。開園は午前9時で、3~10月は午後5時、11~2月は午後4時半まで。金曜休(祝日や春夏冬休み原則開園)。中学生以上1000円、4歳から小学生500円。ホームページに10%割引券がある。問い合わせは同センター(0277・78・5193)。


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