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社説

「G6プラス1」サミット 昨年よりも溝が深まった

 主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、最大の焦点だったトランプ米政権の保護主義を巡り、米国と日欧加6カ国が対立した。

     準備会合として行われたG7財務相らの会議も、共同声明ではなく、6カ国が米国を名指しで批判する文書を出す異例の事態となった。

     トランプ政権が発足した昨年のG7関連会議は、そこまで対立は先鋭化しなかった。今年は米国が6カ国に鉄鋼などで高関税を発動したため、溝が深まった。

     大国同士の通商摩擦が一段と激しくなると、G7が推進してきた自由貿易体制が揺らぎかねない。

     今年も主要議題になった地球温暖化対策でも、パリ協定離脱を表明した米国と6カ国の亀裂は大きい。

     G7の意義は民主主義や法の支配といった価値観を共有し、経済や地球環境など国際的課題に対応した政策協調を先導したことにある。

     中国などの発展に伴い、G7の経済規模が世界に占める比重は低下しているが、理念で協調を導く意義は変わらない。自国優先の反グローバリズムの動きを押しとどめるために、むしろ重要性が増している。

     今回のサミットで議長国のカナダは主要議題に、経済のグローバル化に伴う格差拡大など負の側面への対策を加えた。所得再分配などの政策で議論を深めるためだ。

     グローバル化のメリットを最も受けたのは、G7を束ねてきた米国である。本来こうした議論をリードする立場のはずだ。それなのに各国の応酬一色にしてしまった。

     トランプ大統領は途中退席し、米朝首脳会談を行うシンガポールに向かう。関心事である北朝鮮対応で各国から支持を取り付けたため、用済みと言わんばかりだ。多国間協議に関心が薄い反映だろう。

     G7は、価値観が異なる中国などに国際ルールを順守するよう促す役割も果たしてきた。分断されると、影響力が低下してしまう。米国にも得策ではないはずだ。

     日本も主要国の一員として、分断を食い止める責任がある。

     安倍晋三首相はトランプ氏との「深い絆」を強調してきた。ならば仲介役の重みをもっと自覚する必要がある。サミット後も各国首脳と連携し、トランプ氏を説得すべきだ。

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