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トーク

舘ひろし 映画「終わった人」主演 かっこ悪く踏み出す人生

映画「終わった人」に主演の館ひろし=大阪市北区のホテルで、小出洋平撮影

 会社員だったら誰もが迎える定年退職。この日を境に生活が一変する1人の男を軸に、第二の人生への向き合い方と家族の在り方を、シリアスかつユーモアたっぷりに描いた人間ドラマ「終わった人」(中田秀夫監督)に主演する。

     「タイトルはネガティブだけど、実はここから始まるんだよという前向きな映画なんです」

     冒頭の退職日のシーンでは、ずり落ちた眼鏡に丸まった背中の「しょぼくれたおじさん」として登場。詰め物をしてぽっこりした腹部を表現した。スーツをびしっと着こなす普段のダンディーな姿からはかけ離れた役だったが、「こんなふうにすればかっこ悪く見えるかなと思って。こういう自虐的な役は楽しいですね」と笑う。

     エリート銀行員だった田代壮介(舘)は出世コースから外れ、出向した子会社でついに定年を迎える。趣味もなく、時間を持てあまして公園や図書館、スポーツジムに出かけてみるが、どこも老人だらけでうんざり。美容師の妻・千草(黒木瞳)には距離を置かれるようになり、壮介は再就職先を探し始める。勉強のために訪れたカルチャーセンターの女性に恋したり、新しい仕事を始めたり、充実した日々もつかの間、壮介の身に災難が降りかかる。

     撮影中は中田監督と「いたずらっ子のようにこそこそと」相談しながら、芝居のアイデアを出し合った。黒木からは「ずるい」と言われたが、「厳しい女房役として彼女がいてくれたから、アドリブも思い切りできた」と感謝する。

     同世代には既に定年の波が押し寄せているが、俳優に定年はなく、引き際を自分で決断しなければならない。「そこは見誤らないようにしないといけないけれど、いろんな俳優の形があっていい。セリフが言えなくても、そこにいるだけで成立する場合もある。いずれは枯れたおじいちゃん役なんかやってみたい」と語る。

     ゴルフや乗馬、ヨットなど趣味が多いことでも知られる。定年後に「やることがない」と悩む同世代は多く、「我々昭和の人間にとっては、仕事一筋がかっこよかった」と理解を示す一方、「今はそんな時代じゃない。何かしなきゃと構えずに、何でもいいから始めることが大事」とエールを送った。【倉田陶子、写真・小出洋平】


     ■人物略歴

    たち・ひろし

     1950年生まれ。愛知県出身。「終わった人」は大阪の梅田ブルク7など全国で公開中。

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