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 あなたは管理職を目指したいですか--。国立女性教育会館は3年前から、正社員800人以上の企業の新入社員を毎年、追跡調査している。先日、「入社3年目」の調査結果が発表された。

 入社後一貫して管理職を目指す3年目の社員は、男性では79・1%いるのに、女性は35・1%。逆に、入社1年目で管理職を目指していたのに、途中で意欲を失ったのは男性で12・2%だったのに、女性では26・6%もいた。

 いくら「女性活躍」を掲げても、当の女性のやる気がないんじゃなあ、なんて皮肉な声には反論しておきたい。彼女たちが管理職になりたくない理由のトップに挙げるのはいつも同じ。「仕事と家庭の両立が困難になるから」だ。

 昨夏には「両立不安」という言葉が話題を呼んだ。育児体験インターンなどを提供するベンチャー企業「スリール」の発表した「両立不安白書」がきっかけ。出産経験のない20~30代の働く女性の92・7%もが将来の「両立」に不安を抱えているという。直面する前から、彼女たちをこんなに不安にさせているのはいったい何?

 昨年、「女子社員はなぜ入社2年目で管理職志向を失うのか」という記事を書いた。当事者インタビューでは多くの「入社2年目女子」が管理職志向の有無に関わらず「両立不安」を口にした。

 「働く母親はスーパーウーマンばかり」「管理職女性は未婚が多い」とロールモデルにかえって意欲をそがれた人。ワンオペ育児に疲れ、昇給・昇格に無縁なマミー・トラックに追いやられる先輩女性に気持ちがくじけた人。変わらぬ男性の意識、転勤や長時間労働が前提の企業文化、はびこる3歳児神話……。不安をかき立てる材料はあちこちに転がっている。

 その時に取材し、管理職志向のあった女性(25)に1年ぶりに話を聞いた。「管理職への意欲が薄れてきたかも」。この春、支社に異動した。結婚を控え、両立不安が現実味を帯びてきたという。彼女が母となる日までに「どちらか」ではなく「どちらも」を大事にできる社会を、どうすれば実現できるんだろう。どうすれば「両立不安」を軽くできるんだろう。

 彼女の言葉が胸に残る。「何かを犠牲にしなければ、ほしいものが手に入らないこともあるんですね」。そんなことないよ、と言える日が一日も早く来てほしい。(統合デジタル取材センター)

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