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Interview

映画「ビューティフル・デイ」 リン・ラムジー監督 全て忘れ没入を

 昨年のカンヌ国際映画祭で脚本賞と男優賞を受賞したサスペンス「ビューティフル・デイ」が全国で公開されている。説明的な場面やせりふがほとんどなく、主人公の回想や夢想が前触れなく差し込まれるなど、見る者に優しい映画ではない。しかし、それが独特な雰囲気をつくり、観客の想像力を刺激する。リン・ラムジー監督は「映画は体感するもの。見る人に全てを忘れて没入してほしいと思い作った」と語る。

     主人公ジョー(ホアキン・フェニックス)は元軍人。ニューヨークで老母の世話をしながら、行方不明者の捜索をなりわいとしている。ある政治家から娘の捜索を頼まれ、着手した途端、身近な人物が次々と殺される、というストーリー。

     ジョーが敵の殺し屋を倒す場面が斬新だ。銃弾を受け、あおむけで倒れる殺し屋の横にジョーも一緒に横たわる。そして殺し屋の手を握り、ラジオから流れる「愛はかげろうのように」を一緒に口ずさむ。まるで友の死をみとるかのように。なぜ、そんな行動を?

     「2人は殺し屋同士。だからこそ相手に哀れみや共感を持つと思った。それを理屈ではなく感覚的に描きたかった」。歌を口ずさむのも「死の直前、人は何をするだろう」と考えた結果だ。「でも、当初はスタッフも俳優も、この場面には懐疑的で『監督は正気?』という空気が漂っていました」と笑う。

     1969年生まれ。英国国立映画テレビ学校を卒業後、90年代からカンヌをはじめ、各種映画祭で作品が評価されてきた。前作の「少年は残酷な弓を射る」も緊張感のある心理サスペンスとして話題になった。

     今、映画界は反セクハラ運動「#MeToo」で揺れているが、映画を撮る際、女性であることは意識しないという。「もし私が素顔を公表せず、男の名前で作品を撮っていたら、世間は私を男だと思うでしょうね」【小林祥晃】

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