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余録

最近しきりに「大取引」という意味で耳にする…

 最近しきりに「大取引」という意味で耳にする「ビッグディール(big deal)」だ。ただし英和辞書を引くと「大物」「重大事件」などと並び、まるで逆の「たいしたことない」という皮肉の意味もある▲「大取引」が成るかと注目されるのは、先にトランプ米大統領が「12日からビッグディールが始まる」と語ったシンガポールでの米朝首脳会談である。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)氏とのディールは北の核放棄と体制保証をめぐる駆け引きとなる▲「私は誰よりも取引についてよく知っている」とビジネスにおける「ディールの達人」を自負するトランプ大統領である。米朝会談をめぐってはいったん中止を表明して、北朝鮮側をあわてさせるなど駆け引き上手を誇示してみせた▲もっとも北朝鮮も周辺大国を振り回して実利を得るディールは父子相伝の技である。「大取引」といえば、非核化の約束と引き換えに経済支援を受ける2005年の6カ国協議の合意が思い起こされるが、結末はご存じの通りだった▲お互いに核戦争の脅しを振りかざし合い、ついに取引の席につく2人である。相互不信の関係を相互の利益を保証し合う関係に変えるのが交渉術の極意だが、すぐに決済されて損益の出るビジネスと違うのが外交交渉の難所である▲なるほど非核化への道筋の合意は容易ではない。だが、そこをあいまいにしたビッグディールは「たいしたことない」と皮肉られよう。広く、大きく課題を組み直し、合意を探り当てるのが交渉の達人である。

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