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G7

混乱、課題は山積 世界経済に不安定リスク

世界経済の現状とリスク
G7サミットの拡大会合に臨む安倍首相(右端)ら=カナダ・シャルルボワで9日、共同

 9日(日本時間10日)閉幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、首脳宣言で世界経済の現状を「引き続き改善の途にある」と評価し、金融市場の安定や格差の是正などに一致して取り組む姿勢を強調した。だが、貿易を巡る意見対立で米国が宣言参加を拒否するなど、協調より分断が目立ったのが実情だ。経済のグローバル化で先進国だけでは解決不可能な問題も増えており、枠組みや存在意義を巡る議論が加速しそうだ。

     「最近の市場の動きには、潜在的なもろさがうかがわれる」。首脳宣言は冒頭、新興国経済が不安定化するリスクを指摘した。

     ブラジルやトルコ、南アフリカなど今年に入り通貨が対ドルで急落する新興国が相次いでいる。背景にあるのは、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが速まるとの予測だ。2008年のリーマン・ショック以降新興国に流れ込んだ投資マネーが米国の利回り上昇で逆流、新興国の成長鈍化や金融市場の混乱を引き起こす懸念が高まっている。

     新興国の対外債務の多くがドル建てのため、通貨安は債務の膨張につながる。7日には国際通貨基金(IMF)がアルゼンチン向けに500億ドルの融資を発表したが、市場の不安が沈静化するかは不透明だ。IMFは、18年の新興国の成長率を4・9%と見込むが、大幅に低下すれば世界経済全体の変調要因になりかねない。

     一方の先進国でも懸念材料は多い。近年、回復が続いていたユーロ圏では再びイタリアやスペインで政情不安が台頭、金融市場の混乱を招いた。貿易問題では、トランプ米政権が鉄鋼などの輸入制限を強行し、自動車関税にも言及。日銀幹部は「自動車関税が実現性を増せば、日本国内の投資に二の足を踏むメーカーが出かねない」と懸念を深める。

     安倍晋三首相は8日に行われた経済分野の討議で「今発信すべきは、G7が協調して世界経済の安定に役割を果たしていくとのメッセージだ」と呼びかけたが、実現にほど遠いのが実情だ。

     大和総研の小林俊介エコノミストは「米国は中間選挙、欧州は反欧州連合(EU)勢力台頭という問題を抱え、互いに妥協しにくい環境だったことがG7での混乱につながった」と強調した上で、「保護主義や反移民勢力が強まり、グローバル化によって成長してきた冷戦終結後の流れは転換点を迎えつつある。それを象徴するG7だったのではないか」と指摘した。【土屋渓】

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