メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

目は語る

6月 ルーヴル美術館所蔵の「肖像芸術」展 光る構成と珠玉の作品群=高階秀爾

 「肖像」は、美術展覧会にとって、必ずしも人気の高いテーマではない。絶世の美女か名高い英雄ならともかく、遠い昔のよく知らぬ人物の肖像など、およそ芸術的感興に乏しいと考えられているからであろう。

 だが実際には、肖像は絵画の歴史の上で大きな場所を占めている。そればかりではなく、そもそも絵画の起源は肖像にあるという議論すらなされた。古代ローマの博物学者プリニウスは、大百科全書とも言うべき『博物誌』のなかで、ギリシャの陶工ブタデスの娘が、旅に出る恋人の姿をとどめるために、ランプの光で壁に投影された顔の影の輪郭をなぞったと伝えている。それが絵画の始まりだというわけである。プリニウスはさらに、陶工がその影に基づいて粘土で頭部像を作ったとも述べているので、それは彫刻の始まりでもあるということになる。

 このエピソードの真偽はともかく、肖像が不在の人の「身代わり」の役割を負わされていたことは、疑いのな…

この記事は有料記事です。

残り1010文字(全文1407文字)

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 店長と従業員、スプレー缶の可燃性を認識せず 爆発は廃棄の120本 札幌
  2. 札幌爆発事故 不動産のアパマンがおわび文
  3. 不幸中の幸い 「偶然」重なり…死者なしの「なぜ」 札幌爆発事故
  4. 日産3社連合 不当干渉あればルノー株… 鍵握る基本協定
  5. 札幌爆発 パニックの中、床抜け落ち助かる 間一髪の様子を客らが証言

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです