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余録

朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた1953年7月…

 朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた1953年7月、米軍は200万発、中国・北朝鮮軍は37万発の重砲弾を撃ち合った。3カ月前には世界史上最大の砲撃戦もあった。休戦協定調印日の板門(パンムン)店(ジョム)でも砲声が聞こえた▲停戦は調印半日後だったからだが、遠い砲声を際立たせたのは調印会場の静寂だった。ハリソン米中将と北朝鮮の南日(ナムイル)大将はあいさつもなく18もの文書に黙々と署名を続けた。終わるとすぐに背を向け合い無言で会場を去ったという▲その65年後のことである。砲声と沈黙の調印とうって変わった融和ムードのトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長のサプライズ調印だった。「休戦」状態の朝鮮半島の平和維持と完全非核化の約束をうたった米朝共同声明である▲一時はトランプ氏が「署名はない」と言っていたこの首脳会談だった。それも北の非核化のプロセスの合意が難しいと思われたためだが、いざふたを開ければ北の体制保証と非核化とを相互に約束しあう大枠での合意が文書化された▲過去の北の背信を思えば油断はならないが、朝鮮戦争以来の米朝対立の解消と連動している非核化の約束である。今後、金氏が長きにわたり北に君臨するつもりなら、安定した国の発展にどんな選択が必要かはおのずと明らかだろう▲トランプ大統領は記者会見で日本人拉致(らち)問題も提起したと述べた。動き出す朝鮮半島の外交的地殻変動を見守らねばならぬ日本外交だが、自国民の拉致問題までいつまでも米国まかせにしてはならない。

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