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我らが少女A

/308 第8章 29=高村薫 田中和枝・挿画監修

 浅井忍が初めて多磨町の栂野家まで来た日の写真たちは、その日尾行された当人の眼(め)を釘(くぎ)付けにした後、さらにその真弓の手で母雪子のスマホに転送され、雪子もまた勤め先の病院でしばし呆然(ぼうぜん)となる。

 自宅の塀の外から撮られた一枚には、水彩画教室で教える母節子の姿が写っており、その画像一枚でまたふいに心身のジャイロスコープが狂いだして、自分がどこにいるのか、いまは何年なのかも分からなくなってゆく。ママ、写真見た?

 お祖母(ばあ)ちゃんの写真、ほかにもありそうだから、見つかったらまた送るわね。娘の電話の声までが一…

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