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ヤシの実流し

波に愛のせ30年 藤村の舞台・愛知の有志、沖縄・石垣島から3379個 昨年は雲仙に漂着

 「名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子(やし)の実一つ」--。島崎藤村(1872~1943年)の叙情詩「椰子の実」創作の「舞台」となった渥美半島・伊良湖岬がある愛知県田原市の有志が取り組む「ヤシの実流し」が今年で30年を迎える。「遠き島」に見立てた沖縄・石垣島の沖から流したヤシの実は、これまでに長崎県や宮崎県、鹿児島県など九州各地の海岸にも漂着。関係者は今年も偶然の出会いに期待している。

     「椰子の実」は、伊良湖岬に滞在した民俗学者、柳田国男から恋路ケ浜に流れ着いたヤシの実の話を島崎が聞き、創作したとされる。この逸話から、地元有志が1988年、町おこしの一環としてヤシの実流しを発案。現在は地元の観光をPRする「渥美半島観光ビューロー」が毎年、フィリピンで買い付けた100個前後を石垣島の沖から流している。

     昨年8月、長崎県雲仙市の樫山博樹さん(59)は、近くの海岸で色あせたヤシの実を見つけた。「珍しかね」と手に取ると、「波にのせ想(おも)いは遥(はる)か恋路ケ浜」と刻まれ、電話番号が記された金属製のプレートに気付いた。「長崎からですが、ヤシの実を拾いました」。樫山さんからかかってきた電話に、観光ビューローの職員たちは喜んだ。

     「拾った」という連絡がない年もあるが、これまでに3379個を流し、黒潮に乗って太平洋側を中心とした日本各地の海岸に計142個が流れ着いたことが確認されている。

     実を拾った人には、市名産のイチゴを贈ったり、抽選で数人を田原市に招いたりしてきた。今年は17日に110個を流す予定で、観光ビューローの河合郁朋・事務局長代理は「宝物を探すつもりで海岸を歩いてもらえたら」と呼びかけている。【今野悠貴】

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