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健康マージャン

お達者に 「賭けない、飲まない、吸わない」 西郷村が福祉事業 /福島

 西郷村は昨年度から高齢者福祉事業として、「健康マージャン教室」を開催している。「賭けない、飲まない、吸わない」がモットーだ。マージャンは役をそろえる思考力や指先の刺激が脳の活性化につながり、認知症予防に効果があると言われていることから、高齢者の健康や生きがいづくりに活用しようと導入した。村などによると、自治体が主体となって健康マージャン教室を運営している例は全国的に少なく、県内では初めてという。【湯浅聖一】

     「ツモ! 上がりました」。今月4日午前、西郷村熊倉にある村文化センターの一室で、年配の男女24人が卓を囲んでいた。ほとんどがマージャンの初心者。手元に酒やたばこはない。上がると同じ卓の対局者全員が「おめでとうございます」と言って拍手をし、勝者をたたえるのがマナーだ。

     同村長坂で農業を営む関田順子さん(66)は、この日が初参加。1月にパートの仕事を辞め、人と接する機会が少なくなって認知症への不安を感じていたところ、友人に「脳トレみたいだからやってみれば」と誘われた。これまで牌(はい)も見たことがなかったが、「頭を使うし仲間もできるのでいい。コツを覚えれば楽しくなり、やみつきになるかも」とうれしそうに話した。

     教室は60歳以上の村民が対象で、5~11月の全20回。普及活動に努める「日本健康麻将(マージャン)協会」(東京)認定の講師が、牌の種類や役の作り方、点数計算の仕方などを教え、ゲームができるところまで指導する。公共施設が会場なので、女性が参加しやすいのが利点だ。講師を務める太田和生さん(69)は「いつも楽しい雰囲気でやっている。将来は村長杯などの大会ができれば」と期待する。

     村が健康マージャンを取り入れた背景には、健康上の理由で日常生活が制限されることなく過ごせる「健康寿命」の短さがある。

     県によると、65歳以降も健康でいられる期間を示す健康寿命の指標「お達者度」は、2013年の県平均で男性が17・01年、女性が20・35年と男女とも全国水準(男性17・45年、女性20・55年)を下回っている。西郷村は県平均よりもさらに低く、男性15・77年、女性18・95年で、人口が一定規模(1万2000人)以上の県内27市町村では男女とも最下位だ。

     そのため、村は増大が懸念される介護保険などの財政負担を抑制しようと、健康寿命の延伸に重点を置いた事業を計画した。仲間作りや引きこもり防止にも役立ち、厚生労働省なども推進する健康マージャンに着目。公民館事業として教室を開くことにした。

     初めて実施した昨年度は延べ375人が参加。教室を「卒業」した村民が自主サークルを作ったほか、5月には栃木県那須町の職員が視察に訪れるなど、村の取り組みは注目を集めている。村中央公民館の秋山充司館長は「行政ができることは限られている。将来的には自主サークルを通して健康マージャンの輪が広がってほしい」と話している。


     ■ことば

    健康マージャン

     1980年代初頭にゲーム本来の魅力を広めるために生まれ、88年には「日本健康麻将協会」(東京)が設立された。マージャンのイメージを悪くしている「賭け、たばこ、酒」を排除し、牌を強くたたきつけない▽「ツモ」「ロン」などの発声は明確に▽対局相手への批判は慎む--などを提唱。2007年には、ねんりんピック(全国健康福祉祭)の正式種目になった。協会が把握しているだけで、最近は全国で年間延べ11万人が楽しみ、ルールなどを学ぶ教室参加者を含めると延べ20万~30万人になるという。

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