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我らが少女A

/309 第8章 30=高村薫 田中和枝・挿画監修

 浅井忍がカメラ付きケータイを向けた人やモノや場所はひと続きの時間になり、欠けていた記憶を呼び戻し、埋め戻しながら、見る者を二○○五年十二月の武蔵野へと誘い続ける。忍は初めて多磨町まで足を延ばした翌十一日の日曜日にも、今度は自転車を駆ってJR武蔵境駅や東小金井駅周辺に出没し、駐輪場で小野雄太に遭遇したり、地元のゲーセンにいる上田朱美を写真に収めたりしているが、どれも行きずりに出会ったのではない。前後の写真から判断するに、忍は十二月に入って吉祥寺から姿を消した朱美を探して、週末は東小金井駅周辺など朱美の自宅近くのゲーセンへ、週日は小平西高の最寄り駅周辺へと渡り歩いていたのは確かで、たとえば真弓は、朱美のシマが武蔵境へ移ったことを浅井忍に教えてやったという話を、井上リナから電話で聞いたことを思いだしている。ほら、ダイヤ街とかレンガ通りとか、いつもチャリンコ…

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