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宇宙予算

効率化し拡充を 山川宏JAXA理事長に聞く

=玉城達郎撮影

 4月に就任した山川宏・宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長(52)が、毎日新聞のインタビューに応じた。約3300億円ある宇宙関連予算について、費用対効果を重視しながら拡充を目指す考えを示す一方、米国主導の有人月探査計画で日本人宇宙飛行士を月に送るかどうかは明言しなかった。【聞き手・酒造唯】

     --内閣府宇宙政策委員会の委員時代は宇宙予算の効率化を主張してきましたが、考えは変わりませんか。

     JAXA理事長になり、まさにそれが自分自身に返ってきている状況だが、考えは変わらない。例えば年間400億円を投じる国際宇宙ステーション(ISS)は、もっとコストパフォーマンスを上げないと国民の理解が得られないと思う。

     --日本は米国主導の有人月探査計画に参画します。限られた予算でのやりくりには限界があるのでは?

     政府全体で宇宙関連予算は約3300億円あるが全然足りず、拡充しないといけない。特に宇宙探査の予算は過去にないほど落ち込んでおり、このままでは宇宙科学の崩壊につながる。さまざまな効率化を進めながら、浮いた分を宇宙探査に回すのが妥当な考え方だ。一方で政府だけではなく民間の活用も重要だ。国内の宇宙ベンチャー企業はまだ20社くらい。大企業も経営が厳しく、民間投資はまだ少ない。政府と民間あわせて5000億円を目指したい。日本の宇宙開発が持続的、自律的に進むためにはそれくらい必要だ。民間の産業基盤が発展すればJAXAにも返ってくる。そういう好循環を生み出したい。

     --小惑星探査機はやぶさ2など、国民の期待が大きいプロジェクトもあります。

     初代はやぶさは故障からの復帰や地球への帰還など、世界初の出来事がたくさんあった。はやぶさ2は故障もなく順調に進んでおり、ようやく本番を迎えるという心境だ。成功すれば日本の技術の大きな目玉として根付く。採取した試料の精密な分析装置の開発も進めており、宇宙科学の発展にも大きく貢献するだろう。

     --JAXAの宇宙飛行士は10年間選ばれていません。

     2024年以降のISSの運用や、国際月探査における日本の役割など、全体の流れが決まった上で初めて選抜するかどうかが決まる。ただ現役バリバリの日本人宇宙飛行士もたくさんいる。すぐに枯渇することにはならない。

     --日本人宇宙飛行士を月に送る気持ちはありますか。

     やはり費用対効果だ。ISSよりも宇宙飛行士の人数が少なくなる上に大きな負担を求められ、ハードルは高い。一方で月は日本人にとって特別な天体。国民の中にどれほどプライオリティー(優先度)があるかだ。


     ■人物略歴

    やまかわ・ひろし

     東京大大学院修了。JAXA助教授、京都大教授などを歴任。内閣府宇宙政策委員会の委員を2012年の発足から務め、今年4月から現職。専門は宇宙工学。

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