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怪盗道化師 13

 <広げよう おはなしの輪>

     ◆怪盗道化師ピエロ

    ぶん はやみねかおる  楢喜八(なら・きはち)

    ひとは『ってください』、ふたは『しゃべってください』というねがいをかなえました。かなえられるねがいごとは、あとひとつです」

    「そんなのズルい! キャンセルだ!」

     おじさんとゴロがさけんでも、

    「あいにく、キャンセルはできないんですよ」

     ながぼしは、つめたくこたえました。

     --これは、しんちょうかんがえなくては……。

     おじさんがそうおもったとき、ゴロがながぼしほうへジリジリすすんでいくのがはいりました。

    「ちょっとて」

     おじさんが、ゴロのくびうしろからつかみます。

    「おまえ、けがけして、なにをおねがいするつもりなんだ?」

     するとゴロは、『なんのことかな?』というように、よこいてくちぶえきました。

    「まさか、さっきうえってたねがいごとをたのむつもりじゃないだろうな?」

     おじさんのきびしいことに、ゴロのほおあせがツーッとながれました。

    「そうか……よく、わかった」

     おじさんは、ゴロをガムテープでグルグルきにすると、れにほうみました。

     --ねがいごとは、あとひとつなんだ。もっとしんけんねがいごとをしなければ……。

     おじさんは、いっしょうけんめいかんがえました。

     使つかれないぐらいのおかねたのもうかと、おもいました。でも、やめました。そんなにおかねがあっても、かたがないからです。

     つぎに、わかさをたのもうかとかんがえました。でも、それもやめました。わかがえってしまうと、いままでごしてきたかんに、すまないようながしたからです。

     あまりたのしいことはありませんでしたが、おじさんは、ぶんせいしゅんだいっているのです。

     うーむ……。

     おじさんは、うでんでかんがえました。

     そのよこを、ガムテープでグルグルきにされたゴロが、イモムシのようにながぼしのところへはっていきます。

     おじさんは、ゴロをつかまえると、はしらくさりでくくりつけました。

     そして、またさいねがいごとをかんがえます。

     --かねでもわかさでもない、いったい、わたしはなにがほしいんだろう……?


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