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社説

福島第2原発の廃炉 計画の具体化は速やかに

 福島第1原発の重大事故から7年余り。東京電力が、ようやく福島第2原発を廃炉にする方針を明らかにした。実現すれば、福島県内に10基あった原発はすべてなくなる。

     福島第2の存在は、避難生活や風評被害に苦しむ県民の心を逆なでしてきた。東電は、円滑な廃炉に向けた工程表づくりを急ぐ必要がある。

     福島第2は東日本大震災の際、第1と同様に津波をかぶった。それでも一部の外部電源が残ったため、重大事故は免れた。

     その後も停止したままだが、大量の核燃料は残っている。安全性や将来の再稼働を巡る県民の不安は根強く、県は東電や事実上の筆頭株主である国に、早期廃炉を求めてきた。

     再稼働には立地自治体の同意が必要だ。第2の再稼働はもともと、政治的にはあり得ない選択肢だった。

     また、第2の4基はいずれも運転開始から30年を超えている。原則40年のルールを延長して稼働するためには巨額の安全投資が必要となる。経営的にも存続させるメリットは乏しかったわけだ。

     それにもかかわらず、東電は廃炉決定を先延ばしにしてきた。

     廃炉を決めると原子炉や核燃料などを資産に計上できなくなるため、財政基盤が悪化する。東電はそれに耐えられる経営体力が整うのを待っていたとも思われる。

     しかし、そんな台所事情があったとしても、十分な説明もせず、うやむやな態度に終始してきたことは誠実さに欠けると言わざるを得ない。

     今回、福島県の内堀雅雄知事に廃炉の方針を伝えた東電の小早川智明社長は、第2が「復興の足かせになっている」と認めた。そうであれば、廃炉に向けた準備に早急に着手すべきだ。

     東電は福島第1の廃炉という極めて困難な作業を抱えている。重ねて第2の廃炉を円滑に進めるには、資金や人員などの経営資源の配分にも知恵を絞る必要がある。国とも連携し、計画の具体化を急いでほしい。

     福島第2が廃炉となれば、東電の原発は柏崎刈羽(新潟県)だけになる。再稼働に向け、地元への働きかけを一段と強めることも予想される。しかし、肝心なのはあくまで安全の確保と地元の納得であることを忘れてはならない。

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