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我らが少女A

/310 第8章 31=高村薫 田中和枝・挿画監修

 ふだん日曜日はほとんど勤務に就いている母が、今日は家にいる。それがなんだか不吉だと思う自分の神経がふつうでないのは、真弓も分かっている。それでも初めに予感した通り、父と母は朝ご飯の席で早くも一触即発の空気になったので、早々に自分のトーストとコーヒーをもって二階の自室に避難した。それが午前八時前。祖母は毎度のことながら午前六時過ぎにはもう野川公園へ写生に行ってしまったから、父母の剣呑(けんのん)な顔は見ていないが、仮に同席していたとしても、逃げ足はいつも真弓よりも速いのだ。

 予備校の宿題を開きながら、階下からかすかに聞こえてくる諍(いさか)いの声に聴き耳を立てる。聴きたい…

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