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余録

地震をナマズと結びつけた話はいつごろ生まれたのか…

 地震をナマズと結びつけた話はいつごろ生まれたのか。その最古の文書は豊臣秀吉(とよとみひでよし)の手紙という。以前の小欄も触れたが、1596年の大地震で倒壊した伏見城の築城の際「なまづ大事」と地震対策を指示したのだ▲天下人の指示も大地震には無力で、秀吉は命からがら幼い秀頼(ひでより)を抱いて裸で逃げた。この伏見地震で大坂でも町家の大方が崩れ、死者は数知れないとの記録がある。現在の大阪府茨木市の総持寺(そうじじ)の観音堂、箕面市の瀧安寺(りゅうあんじ)も倒壊した▲この地震は大阪平野の北縁を通る有馬-高槻断層帯が動いたものだった寒川旭(さんがわ・あきら)著「地震の日本史」)。そしてきのう、高層ビルの林立する現代大阪の通勤時間帯を直撃した最大震度6弱の地震もこの断層帯との関係が疑われている▲政府の調査委の推計では、有馬-高槻断層帯で大地震が今後30年間に起きる確率は0・1%未満とされていた。また大阪では震度6の地震は1923年の観測開始以来初めてとなる。だが地下のナマズはそんな人の計数に遠慮しない▲人間の側も建物の耐震化は進めたが、きのうは学校のブロック塀の倒壊で女児の命が奪われ、やはり塀の倒壊や家具の転倒でお年寄りが亡くなっている。ひと揺れあればまだまだ凶器に変わる構造物にかこまれた都市の暮らしである▲地盤の緩みが心配な大阪地方はこれから雨がひどくなるという。復旧作業にあたる人々にとっても、なんとも無慈悲な梅雨である。せめてナマズよ、地震をすぐ止め、水神(すいじん)に頼んで大雨を降らすな。

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