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余録

「犯人は物語の当初に登場していなければならない」など…

 「犯人は物語の当初に登場していなければならない」などミステリー小説の原則を掲げた英作家ノックスの十戒である。その第5戒に「中国人を登場させてはならない」との東洋人への偏見じみた項目もある▲この項目、十戒が書かれた1920年代に英国で流行した超人的な力をもつ謎の中国人フー・マンチューの物語が頭にあってのことらしい。つまり神秘的、超人的な人物を登場させて謎解きを台無しにしてはならないという戒めなのだ▲さて、この人が語るストーリーの登場人物の言動はつじつまの合う合理的なものだろうか。獣医学部新設をめぐる安倍晋三(あべ・しんぞう)首相との面会情報が愛媛県文書に記された加計(かけ)学園の加計孝太郎(こうたろう)理事長、その初のサプライズ記者会見だった▲すでに面会情報は担当者による偽情報と発表した学園側である。会見ではその担当者の減給処分と自身の監督責任による給与返納とを公表し、首相との面会は「記憶にも記録にもない」と“担当者のうそ”を改めて世にアピールした▲その後にわかに動き始めた国家戦略特区を利用した獣医学部新設は「うそから出たまこと」というストーリーだ。では首相秘書官や中央省庁を走らせ、岩盤規制突破を実現したのは一担当者の出まかせということで事件は解決なのか▲「多分自分が言ったんだろうと思う」とは、その発言によって超人的な力を振るった担当者その人にしてはひかえめすぎる回想である。ここはやはり納得のいく謎解きを求めて手立てを尽くさねばなるまい。

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