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社説

32日間の国会会期延長 存在意義が問われている

 国会の会期が7月22日まで32日間延長されることになった。多くの課題をどう処理するか。秋の自民党総裁選で安倍晋三首相が3選されるかどうかに直結する32日間となる。

     自民、公明両党が延長を決めたのは、働き方改革関連法案や、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案だけでなく、ご都合主義と批判が強まっている参院の選挙制度見直し案(公職選挙法改正案)も今国会で成立させたい狙いがある。

     だが、いずれも与党が数の力で押し切るわけにはいかない法案だ。

     働き方法案では、焦点である高度プロフェッショナル制度(高プロ)の必要性を把握するため、厚生労働省が行ったヒアリング調査の対象がわずか12人だった手抜きが判明。残業時間の上限規制も「最長で月100時間未満」との政府案が妥当なのか等々の議論が不足している。

     カジノ法案では、新設する「カジノ管理委員会」の規則をはじめ、成立後、政令などに委ねられる項目が331にも及び、ギャンブル依存症対策の審議も不十分のままだ。

     ともに既に衆院は通過している。参院の役割が一層試される局面だ。

     もちろん、森友、加計学園問題も決着していない。当初、安倍首相は問題追及を避けるため、長い国会延長には消極的だったと言われる。今回、比較的大幅な延長幅となったのは、この問題はもう乗り切れると判断しているからなのかもしれない。

     しかし森友問題では次々と新事実が判明し、会計検査院が異例の追加検査を進めているほどだ。財務省が文書を改ざんしたのは国会にうそをついていたということだ。にもかかわらず与党は事実解明に消極的で、幕引きばかりを急いでいる。

     重要な資料の提出や関係者の国会招致は実際には与党が賛成しないと実現しない。国政調査権の限界も指摘され始めている。国民の代表である国会は何のためにあるのか。与党は今一度足元を見つめるべきだ。

     内政だけではない。北朝鮮問題で圧力一辺倒だった首相は、米朝首脳会談後、一転して日朝首脳会談の実現に前のめりになっており、拉致問題の解決を総裁3選のテコにしようとしているようにさえ見える。

     明らかな方針転換である。国会でもきちんとした説明が必要だ。

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