メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

かながわ・キャンパる

横浜国大生らクラウドファンディング 貧困地区支援、国際協力学ぶ 理論と実践の両面から /神奈川

 横浜国立大の学生らが、南米パラグアイの貧困地区に住む人々の生活改善のための資金を調達する「クラウドファンディング」の取り組みを進めている。集めた資金は、基礎教育や栄養教育、ドラッグ予防などの保健教育の講習会開催などに使う計画だ。国際協力を学ぶゼミの活動の一環で、現地の人々との交流も深め、理論と実践の両面から国際協力について理解を深める考えだ。(横浜国立大・斎藤幾日(いくが)、斎藤誠仁(まこと))

     同大の藤掛洋子教授のゼミなどが中心となり、パラグアイの教育や女性の社会進出を支援しているNPO法人「ミタイ・ミタクニャイ子ども基金」が5月から資金集めを始めた。NPOの名称は、現地の言葉で「男の子、女の子」を意味する。同基金は2016年にも、同じ手法で学校建設の約97万円を集めた。今回は7月22日までに150万円を集める目標を掲げていたが、6月中旬に達成したため、180万円に引き上げた。増額分は、講演会の内容などをまとめた“教科書”の作製などに使う。

     同基金がパラグアイを支援するのは、同地域の研究者でもある藤掛教授が25年前、青年海外協力隊隊員として現地の農村で活動したのがきっかけ。近年、経済成長著しいパラグアイだが、都市と農村の格差やジェンダーの問題の根深さを知った。例えば、若くしてシングルマザーとして生きざるを得ない親子らの問題は深刻だ。

     藤掛ゼミは定期的にパラグアイを訪れており、筆者も参加した。昨年9~10月には首都アスンシオン近郊のカテウラ地区などで支援活動に携わった。カテウラは、パラグアイ最大のゴミ埋め立て地があることなどで知られる貧困地区。拾ったゴミの中からお金になるものを売って収入を得る子どもがいるほか、麻薬中毒や、スラム地域の出身を理由とした就職差別などの問題を抱える。

     現地では、地元のNGOフベンスールとともに、小学校の子どもたちとペンキ塗りを行った。カテウラの小学生たちに、絵の色づかいや、物事を筋道立てて実施することなどを楽しみながら学びつつ、共同作業や、計画して成し遂げることを経験してもらえると考えたからだ。

     フベンスールとミタイ基金の協力関係は2年以上に及ぶが、反省もあった。フベンスールのメンバーから「君たちがここまで協力してくれるのはなぜ? 学校で単位をもらえるから?」と尋ねられた。もちろん単位は関係していない。学生らはボランティアとして真摯(しんし)に貧困問題の解決に取り組みたいと考えていたにもかかわらず、そうした基本的な理念を伝えるコミュニケーションが不足していたのだった。

     この言葉をきっかけに、つたないスペイン語とボディーランゲージでフベンスールのメンバーや現地の子どもたちとの意思疎通を心がけた。ペンキ塗りを手伝ってもらううちに、心が通い始めた気がした。とりわけ海外では、意識的にコミュニケーションを図らないと、思いは伝わらないのだと痛感した。

     プロジェクトを成功させるための広報活動の大切さも知った。新聞や雑誌などのメディアにプレスリリースなどを送り、取材してもらったり、掲載してもらったりした。地域情報誌に掲載された記事を読んで支援してくださった方もいた。

     さらに大切なことも学んだ。家族や友人、先生など、身近な人に呼び掛け、支援を得たことだ。実は、これが成功に向けた一番の鍵だった。身近な人が自分を支えてくれていると実感すると、支えてくれる人のためにも頑張ろうという気持ちになる。近くの人を思うことは、遠くの人を思うことにも通じるのだ。

       ×  ×

     カテウラ支援のクラウドファンディングについては、「ミタイ基金」で検索し、同NPOのホームページへ。=随時掲載

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 日産会長逮捕 ゴーン神話「数字の見栄え良くしただけ」
    2. 高校野球 練習試合で頭に死球、熊本西高の生徒が死亡
    3. 日産 ゴーン会長を解任へ 「会社資金を私的に流用」
    4. ゴーン会長逮捕 日産社長「私的流用、断じて容認できない」 会見詳報(1)
    5. 日産会長逮捕 再建神話、地に落ち 社員に衝撃と動揺

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです