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社説

参考人への非常識なやじ 品位なき議員には懲罰を

 あるまじき言動だ。あまりに非常識で国会議員としての資質を疑わざるをえない。

     自民党の穴見陽一衆院議員が、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案について審議した衆院厚生労働委員会で、参考人として受動喫煙の問題を訴えた肺がん患者に、「いいかげんにしろ」とやじを飛ばした。

     参考人の長谷川一男さんはステージ4の重度の肺がん患者だ。優れない体調にもかかわらず、弱くなった背骨を守るコルセットを背中に当て、通勤ラッシュの中、委員会の求めに応じて出席した。

     そんな長谷川さんに対する耳を疑う発言である。

     やじは、屋外での喫煙規制に関する質問に長谷川さんが「なるべく吸ってほしくない」としつつ、喫煙者にも配慮し「屋外喫煙所も一つの方法だ」と言ったときだった。

     長谷川さんはたばこを吸わないが、長く受動喫煙の環境下にあったという。がん患者に非情とも言える仕打ちだが、穴見議員が地元の大分がん研究振興財団の理事の役職にいたというのだから、あきれる。

     本来ならがん患者を守るために見識を示す立場のはずだ。この財団が「考えられない発言で申し訳ない」と陳謝したのは当然だろう。

     穴見議員はファミリーレストランの経営に携わっている。改正案では大手外食チェーンは全面禁煙となる。経営上の利害が背景にあったのではと勘ぐられても仕方がない。

     そもそも長谷川さんを国会に招いたのは委員会である。参考人招致は憲法が定める国政調査権の一つで、国会が専門家や関係者の意見を法案審議に反映させるねらいがある。

     穴見議員は「不快な思いを与えたとすれば、心からの反省と共に深くおわびする」とのコメントを出した。人ごとのようで誠意が感じられないにもかかわらず、高鳥修一委員長は口頭で厳重注意しただけだ。

     招いたゲストに威圧的なことばを浴びせた穴見議員の非礼は委員会の権威も汚した。その程度の処分で済まされるなら国会の権威にもかかわる。懲罰に値する事案だ。

     衆院規則には「議院の品位を傷つけ、その情状が特に重い者」の除名など懲罰規定がある。国会は穴見議員の責任を見過ごすべきではない。

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