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本はともだち

「心の奥に残るものを」 ベルギーの作家 ワリー・デ・ドンケルさん

ワリー・デ・ドンケルさん=石村綾子撮影

 「子どもは誰でも質の高い本を得る権利がある」という思想に基づき、哲学的な児童文学を発表しているベルギーの作家、ワリー・デ・ドンケルさん(60)を招いた講演会が5月末、東京と大阪で開かれた。子どもの内面を育みたいとの信念が語られ、聴衆は熱心に聴き入った。

     ドンケルさんは小学校教師を経て、1989年から作家として活動している。作品はドイツや中国など18カ国で翻訳されているが、邦訳はない。大阪では大阪国際児童文学振興財団が主催した国際講演会で「ベルギーの児童文学~私の心に根ざす哲学」と題して講演した。

     自分が存在しなければ世の中にどんな影響が出るかを問う「Ik mis me」(ぼくがいないとさみしい)や、自らのルーツは祖先たちの深い愛情とつながっていることに気づかせる「Ik ben heel veel liefde」(私はとてもたくさんの愛)などの自作を紹介。読後に考えさせるような内容にする理由を「読者は考える中で新たなものの見方を得ることができる。作品を理解して感想を持つだけが大事ではない」と話した。また、自身が子ども時代に本を通して他者の気持ちや文化を理解した経験から「児童文学が自分の深い内面をどのように変えたかを覚えている。子どもの心の奥深くにとどまる作品を作り続けたい」と語った。

     講演後、聴衆から「日本の子どもの本では、『わかりやすさ』に重きが置かれている。哲学的思考を促す作品も必要だ」との感想が出ると、ドンケルさんは「子どもの本だからと、手加減して書いてはいない。全ての年齢に向けて書いている」と自らの姿勢を強調した。【石村綾子】

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