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おはなしめぐり

「ふつうやない!はなげばあちゃん」作者 山田真奈未さん(52) 規範にとらわれない人描く

山田真奈未さん=塩田彩撮影

 びよーんと伸びる長い鼻毛を操り、関西弁をしゃべる変わったおばあちゃんが活躍する創作童話「ふつうやない!はなげばあちゃん」(福音館書店)が5月、刊行された。作者で絵本作家の山田真奈未さん(52)は「世の中にはいろんな人がいて、変わった人たちもたくさんいる。それでいいやん、と言いたかった」と語る。【聞き手・塩田彩】

     小さい頃から、人の鼻毛が気になる子どもでした。5~6歳の頃は、おじいちゃんの膝の上に乗って顔を見上げるのが好きで「おじいちゃんはもさもさした鼻毛がいっぱいあって、眉毛も長くて自由自在に(入れ歯の)歯を取り出せるなんてすごい!」と思っていました。

     「はなげばあちゃん」のキャラクターが最初に生まれたのは2008年のボローニャ国際絵本原画展です。はなげばあちゃんを描いた5枚組みの絵が入選し、09年に絵本として出版。今回は同じキャラクターを用いて新しいお話を書きました。

     はなげばあちゃんは、社会の建前を打ち破るキャラクターです。いたずらもたくさんするし、周りにこびない。そして、ぶれない人でもあります。本の中で、自分の個性である嫌われている鼻毛が人々に好かれるようになった時、どうにも居心地が悪くて、悩みながらも鼻毛を断ち切ります。それはもはや、自分の個性ではないからです。鼻毛にこだわっているのではなく、自分の考えにこだわりをもつ。「こうあるべきだ」という規範にとらわれない人物として描いてみました。

     今回の作品には、たくさんの町の人たちが登場します。はなげばあちゃん以外にも変わった人やわがままな人がたくさんいて、ワイワイ言いながら暮らしている。雑多なコミュニティーの中で、誰もが疎外されずにマイペースに生きているのです。全ページに付いている挿絵にバラバラな感じを出したくて、あえて異なる技法や道具を使いました。関西弁のほうが本音を言いやすい気がして、ばあちゃんも町の人もみんな関西弁をしゃべります。

     私は昔、周囲になじめず友達も少ない子どもでした。同じような生きにくさを抱えている子どもたちに、そのままでいいんだよ、無理に取り繕わなくていいんだよと伝えるお話を、これからも描いていきたいと思います。


     ■人物略歴

     1965年、大阪府高槻市出身。グラフィックデザイナーを経て、90年代半ばから絵本作家、造形作家として活動。幼稚園や小学校で絵画や造形教室の講師も務める。

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