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直撃いばらき

つくば夫婦殺人 あす半年 早く犯人捕まえて 家族「もどかしい、悔しい」 /茨城

 つくば市東平塚で今年1月、建築業の小林孝一さん(当時77歳)と妻の揚子さん(同67歳)が自宅で殺害された事件が1日で発生から半年を迎えるのを前に、孝一さんの長男照幸さん(46)と孫の力也さん(23)が毎日新聞の取材に応じた。腕利きの大工で、頼まれたら断らない優しい性格だったという孝一さんへの敬慕の情を明かし、「戻ってくるわけじゃないけど、早く犯人を捕まえてほしい」と訴えた。【韮澤琴音】

     県内にある照幸さんの自宅には、にこやかな表情をした孝一さんの遺影と遺骨が仏壇の前に置かれていた。

     孝一さんと揚子さんは再婚同士で、それぞれ子供が3人いた。一堂に会した際、「いったいなぜこんなことに…」と肩を落としたという。

     仏壇の前には3個の携帯電話も置かれていた。いずれも孝一さんが使っていたもので、県警捜査本部から、最近返されたという。

     照幸さんやきょうだいたちも、事件発生から1週間ほど連日のように捜査本部に呼び出されて事情聴取を受けた。疑われているとも感じたが、しばらくすると、捜査員が顔を見せる頻度も減った。捜査本部からは、捜査への影響を懸念し、メディアの取材に応じないよう要請されたが、「もどかしかった。迷宮入りしちゃ困るからね。悔しいよね」と、応じた理由を明かした。

        ◇

     照幸さんは「鉄臭いおやじのにおいが忘れられない」と振り返る。鉄材や工具のにおいが染みついた孝一さんのにおいを今も思い出すという。

     孝一さんは建築の設計から施工まで全てできる技術を持ち、事件現場となった自宅も自ら造った。照幸さんも20歳ごろまで孝一さんの仕事を手伝った。「何でも一人で造ってしまうすごい人だった。絶対に超えてやろうと思っていた」という。

     しかし独立して弁当屋を始めようと考え、孝一さんに相談すると、「食い物は人が生きていくのに必要だから」と、反対せずに背中を押してくれた。その言葉を支えに弁当屋の仕事を続けたという。孝一さんは頼まれたら嫌と言わない優しい性格で、照幸さんの自宅の台所や倉庫も修繕してくれたという。

     孫の力也さんは最近塗装の仕事を始め、昨年10月には孝一さんの仕事も手伝ったといい、照幸さんが「孫と一緒に仕事できて良かったな」と声をかけると、孝一さんは「うんうん」と、笑ってうなずいた。もっと一緒に仕事をしたいと思っていた直後に事件が起きた。孝一さんの遺体を焼いた後、太くて丈夫そうな遺骨を見て、力也さんは「あんなに強いじいちゃんが…」と悲しみがこみ上げたという。

     力也さんが思い出すのは、現場でラジオを聴きながら、傍らに好物の牛乳を置き、黙々とネジを締める孝一さんの姿だ。今はその背中を追って仕事に励んでいる。「早く犯人が捕まってほしい。早く解決してほしい」と願う。

    事件概要

     今年1月1日午後4時35分ごろ、正月のあいさつに訪れた揚子さんの次女(43)らが、2階の寝室と廊下に倒れていた孝一さんと揚子さんの遺体を見つけた。いずれも死因は頭部外傷による失血死で、孝一さんは後頭部を中心に数カ所、揚子さんは顔面から後頭部にかけて十数カ所の傷があった。

     県警はつくば中央署に捜査本部を設置し、殺人事件として捜査している。捜査本部によると、延べ5885人の捜査員を投入し、22件の情報が寄せられた(6月29日現在)。事件の情報提供は捜査本部フリーダイヤル(0120・144・559)、つくば中央署(029・851・0110)。

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