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丸栄

閉店に最後の別れ 客ら感謝や惜別の言葉

丸栄の7階では、利用客らが書いた感謝のメッセージがたくさん展示されていた=名古屋市中区で2018年6月30日、兵藤公治撮影

 開業75年の歴史に幕を下ろした名古屋市栄地区の老舗百貨店「丸栄」。最終営業日となった30日は、午前10時の開店と同時に店内は買い物客であふれかえった。大幅割引となった衣料品や雑貨を売り込む従業員の声が響き渡る一方、あちこちから「寂しい」「やめないでほしい」と惜しむ声が漏れた。

 最後の買い物を楽しもうと集まった来店客で店内は終日混雑し、各階のレジには長い行列ができた。従業員は「想像以上の客入り」と驚き、接客対応で店内を駆け回っていた。

 7階には来店客の手書きのメッセージ1500枚以上が掲示され、「丸栄に来ると気持ちがリラックスできた。かけがえのない時間をありがとう」「丸栄は私の青春でした」など、感謝や惜別の言葉で埋め尽くされた。

 1973年に丸栄に入社し、出納課に数年勤務した静岡県磐田市の主婦、小野田洋子さん(66)は「閉店を知り30年ぶりに訪れた。とっても懐かしく、最後に来られてよかった」。丸栄で購入した服や靴を身につけて夫婦で訪れた名古屋市天白区の高橋美也子さん(57)は「あって当たり前の存在だったのですごくショック。建物も社員も親しみやすくて大好きなデパートだった」と惜しんだ。

 毎週来店していたという愛知県安城市の橘喜代司さん(70)は「小さいころから来ていたので寂しいけれど、時代の流れなのかな」と話した。

 前身の呉服店からたどると403年の歴史があり、43年の開業以来、松坂屋や三越、名鉄百貨店とともに「4M」と呼ばれ、名古屋市を代表する百貨店として親しまれた。しかし、他店との競争激化で売上高は91年度の825億円をピークに、25年連続で減少。建物の耐震問題も浮上し、親会社の医薬品大手興和が2017年12月に閉店を発表した。

 今後は外商だけを残し、百貨店事業からは撤退する。約250人の従業員のうち30人程度は丸栄に残り、外商や残務処理に当たる。残りの従業員は興和や関連会社に移る予定。建物は9月から解体工事が始まり、27年完成を目標に同社所有の周辺ビル2棟を含め、複合型商業施設の建設が構想されている。【斎川瞳】

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