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シベリア抑留

友に響け、追悼の歌 不慮の事故死 高砂の92歳・田中唯介さん、公の場で初披露 姫路護国神社 /兵庫

帰国目前に亡くなった戦友を悼む歌を披露した田中唯介さん=兵庫県姫路市本町の姫路護国神社で、田畑知之撮影

 第二次世界大戦後、シベリア抑留からの引き揚げ直前に不慮の事故で友を失った高砂市高砂町栄町の田中唯介さん(92)が1日、友を悼む歌を姫路護国神社(姫路市本町)であった催しで歌った。公の場で歌うのは初めて。「一瞬涙でつまりそうになりました。歌声は友に届いたと信じます」と講演後、話した。【田畑知之】

     この日、護国神社であった「戦士の証言」の一コマ。中国東北部(旧満州)で敗戦を迎えた田中さんは戦後、中央アジアのカラガンダ(現カザフスタン)に連行され、強制労働の日々を約4年3カ月過ごした。同じ収容所にいた楽団出身のドイツ兵捕虜からアコーディオンを学び、1949(昭和24年)11月、京都・舞鶴港に引き揚げた。

     引き揚げ直前の港町、ナホトカ(ロシア)で砂利を運ぶ作業を命令された時に、土砂が崩壊。4人の日本人が落命した。そのうち1人が、それ以前に田中さんが事故に遭った時、助けてくれていた。田中さんは92年に彼を悼む歌「夢凍るシベリヤの友よ」を作ったものの「歌おうとするとつらくて」、ごく限られた人以外に披露できなかった。

     この日は、帰国という夢をかなえられなかった友のことを知ってもらおうと、アコーディオンの弾き語りで声を張り上げた。演奏後「雨が降って山が崩れ、4人の戦友が埋もれた。その中に恩人がいた」と歌の意味を参加者に説明した。他にも「異国の丘」といった抑留されていた旧日本兵の思いを込めた歌や戦後の流行歌や映画音楽など約15曲を演奏した。

     田中さんは講演後、「これからもメロディーに乗せて戦争であったことを伝えていきたい」と話した。

    〔播磨・姫路版〕

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