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社説

「2040年研究会」が政策提言 首相の耳に届いているか

 2040年を想定し、人口減少への対応を検討している総務省の有識者研究会が政策提言をまとめた。急速な高齢化が同時に進む中で、自治体の機能を維持する対策を迫られているためだ。

     人口減少は加速し、40年ごろには年間で約90万人も減る。しかもこの頃「団塊ジュニア世代」が65歳以上となり、高齢者が約4000万人とピークに達する。人口構成上、地方行政や社会保障は「胸突き八丁」にさしかかる。

     総務省が今回公表した資料によると、人口3万人以下の自治体では7割を超す市町村で40年までに人口が3割以上減る見通しだ。

     提言は、すべての市町村が個別に拠点病院や学校・図書館など公的機能をフルセットで備える発想から脱却すべきだと指摘した。同じ圏域の自治体が役割を分担したり、都道府県が小規模な市町村の事務を補完したりするよう促した。

     一方で、首都圏は後期高齢者の急増に伴う医療、介護の要員不足に直面する。提言は東京の医療・介護に取り組むため、国や首都圏各県が都と政策を調整する枠組みを設置するよう求めた。全体として都道府県や市町村の役割を固定化させずに見直し、連携を強めていく考え方は理解できる。

     地方公務員の人手不足を見込んで「地域を基盤とした新たな法人」の創設を提言した点にも注目したい。

     退職後のサラリーマンらが参加して、ある程度の報酬を得ながら高齢者の援助、見守り、子育て支援などにあたるイメージだ。元気な中高年層を地域の担い手とするプランは、検討に値するのではないか。

     政府は近く発足させる地方制度調査会で、提言の具体化に着手する。ただし、問題なのは、安倍政権が人口減少を前提とした政策づくりに正面から向き合っていないことだ。

     たとえば、短期的な人口増加策に主眼を置いた地方創生などの取り組みを、十分な検証抜きに続けようとしている。

     東京集中の是正や子どもを増やしていけるような取り組みは必要だが、大幅な人口減少自体は避けられない。この現実を安倍晋三首相はもっと直視し、長期的な対策づくりを主導すべきだ。

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