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炎のなかへ

/198 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

その夜(33)

「なんてこった、気の毒に。まだ若い女の子じゃねえですか」

 よっさんが両手をあわせてから、手桶(ておけ)で水をかぶる。直邦が防火水槽のなかを覗(のぞ)きたがったが、登美子が見てはいけないと厳しくいうと静かになった。全員がたっぷりと頭から足の先まで濡(ぬ)れているのを確認して、タケシは水槽のふたをしっかりと閉めた。空襲を生き延びたら警防団に通報して、この防火水槽に眠る姉妹を丁重に葬ってもらおう。

 ずぶ濡れのタケシたちは川沿いの道に戻った。間近に見る焼夷(しょうい)弾は生きもののようだった。六角…

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