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社説

逮捕された文科省局長 職権を身内に使う異様さ

 教育行政の信頼を根本から損なう信じがたい行為だ。

     文部科学省の科学技術・学術政策局長が、東京地検特捜部に受託収賄の疑いで逮捕された。

     官房長だった昨年5月、東京医科大への支援事業選定で便宜を図った見返りに、今春の同大入試で息子の点数に加算させ合格させてもらったことが賄賂にあたるとされた。

     汚職の舞台になったのは国の「私立大学研究ブランディング事業」だ。私立大の競争を促す目的で全学的な特色を打ち出す大学を支援する。

     2016年度に始まり、17年度は188校から申請があり、東京医科大を含む60大学が選ばれた。同大へは5年間の支援で、17年度は3500万円が助成されている。

     選考は有識者らで構成する委員会が、各大学から出された事業計画を点数化するなどして評価する仕組みだ。逮捕された局長は、そこに影響力を行使し、省内で選定の後押しをしていたと見られる。

     それができる余地があったのか。捜査当局の解明とともに、文科省自身も検証すべきだ。

     少子化が進む中、大学の経営環境は厳しい。この支援事業は安定して国から資金を得られる。5年なら1億数千万円に上り、選ばれれば対外的にも大きなPRになる。

     大学がぜひとも獲得したいと考えるこの事業を悪用して、見返りを受けた罪は大きい。

     今回あぜんとするのは、大学に入試の公平性確保を指示する立場の文科省中枢の職員が、地位を利用して息子を「裏口入学」させたことだ。

     しかも、局長が官房長当時は、文科省が天下りあっせん問題で批判を受けていた。官房長は不祥事対策を担う立場であり、危機管理の中心だ。その綱紀粛正の責任者が自ら汚職に手を染めていたことになる。

     入試は公平・公正の信頼がなければ成り立たない。文科省は自らが入試行政に携わる資格があるかどうか猛省すべきだ。

     局長の息子を合格させた東京医科大は、支援事業に選ばれたいがために自らの入試制度を汚した。

     学長や理事長が関与したとされるが、教育者としても大学経営者としても、極めて重い責任を負わねばならない。

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