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炎のなかへ

/199 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

その夜(34)

 火花や炎が届かない距離まで、不発弾の関門から離れると、タケシは足をとめて振りむいた。心臓が痛いほど弾んでいる。登美子と直邦は手をとりあって、炎の柱を左右に避けながらこちらにやってくる。濡(ぬ)れた防空頭巾からは湯気があがり、ぽたぽたと水滴が垂れていた。不発弾の関門までやってくる。距離は十メートルとすこし。タケシは叫んだ。

「登美ちゃん、そこにある不発弾に気をつけて。いつ破裂するかわからない」

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