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炎のなかへ

/201 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

その夜(36)

 不発弾の不吉な関門の向こうで、登美子が震えながらうなずいた。

「うん、映画だね」

「そうだよ。好きな映画を何本でも観(み)られる」

 そのとき急にテツがいっていた言葉を思いだした。くいしんぼうのテツは戦時中の今では口にできないご馳走(ちそう)をでたらめにあげていた。あのときはきいているだけで、お腹(なか)が空(す)いて困ったものだ。

「登美ちゃん、楽天地でカレーライスたべて、今川焼たべて、アイスクリームもたべられる。今夜の空襲を逃げ…

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