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社説

西日本で甚大な豪雨被害 救助と生活支援に全力を

 西日本を記録的な豪雨が襲い、土砂崩れや河川の氾濫など広い範囲で甚大な被害をもたらした。

     死者が100人を超したのは短期間の豪雨としては平成に入って初めてだ。安否が不明な人も多く、各自治体が出した避難勧告・指示の対象は最大で約863万人にのぼった。

     自衛隊や警察、消防など救援隊が孤立した住民をヘリコプターやボートで救出する作業にあたっている。倒壊した家屋での捜索など、時間との闘いである。

     豪雨は、梅雨前線に大量の湿った空気が流れ込んで起きた。南北の高気圧勢力が拮抗(きっこう)したため前線が何日も停滞した。119もの地点で、3日間の雨量が観測記録を更新した。

     多くの被害が出た原因は住宅などへの土砂崩れに加え、河川の氾濫が複数の場所で起きたためだ。

     岡山県倉敷市の真備(まび)町地区は堤防決壊で、地区の4分の1が水没した。一時は「まび記念病院」で患者ら約300人が取り残される危険な状況になった。

     岡山県はもともと降水量の少ない地域だ。真備町地区の市役所支所は浸水や停電で機能せず、被害状況を把握できなかった。倉敷市長は「これほど急激な水位上昇は見込んでいなかった」と認める。

     今回、気象庁は数十年に1度の重大な災害の切迫を意味する「大雨特別警報」を11府県に出した。

     愛媛県で特別警報が出されたのは被害が拡大した後の8日午前5時50分だった。特別警報が出る前からの自治体の避難指示などの対応が重要であることを改めて確認したい。

     被害は広域にわたっているだけに、政府は復旧作業に万全を期す必要がある。安倍晋三首相が欧州・中東訪問を取りやめた判断は、事態の深刻さに照らせば理解できる。

     広島県などで道路が寸断され、救援物資を届けるのさえ困難な状況だ。輸送ルートの確保や、効率的な支援網の構築を急ぐべきだ。東日本大震災の際の、津波浸水からの復旧作業も参考になるはずだ。

     ライフラインなどの復旧には時間を要するだろう。同時に、被災した人たちの避難生活は長引くおそれがある。これから熱暑の季節を迎える。政府や自治体には、きめ細かい生活支援を求めたい。

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