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我らが少女A

/336 第9章 16=高村薫 田中和枝・挿画監修

 雪子は翌二十一日木曜日の午前中、出勤する前に時間をつくって駒沢公園そばの娘と孫に上田亜沙子のプレゼントを届けにゆく。細手のオーガニックコットンで丁寧に編まれたベビー用靴下とボンネットは、編んだ人間の思いが編み目の一つ一つに絡みついているようで、あまり長く手元に置いておきたくなかったからだが、では、どんな思いが絡みついているのかと自問しても分からない。亜沙子に深い意図などあるはずはない。ちょっと過ぎた優しさのほかには何もないのは分かっているのに、いまごろ余計な気を回している自分は、どうしようもなく人づきあいが下手だと思う。でも、これも母親譲りなのだ。

 一方、百合と一緒に初めてのクリスマスを迎える真弓の家は、玄関を入ったところから大小のリースやガーラ…

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