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西日本豪雨

犬への愛情、最後まで 避難途中、犠牲に

老犬の保護施設があった場所。手前の林道が崩落し、その奥にあった施設も跡形もなく流れてしまった=長澤由起子さん提供
葬儀会場に姿を見せた山崎ツギ枝さんの愛犬クロ=長澤由起子さん撮影

 ◆福岡

     福岡県宇美町の山崎ツギ枝さん(68)は、同県筑紫野市の山中にあった老犬の保護施設付近で土砂崩れに巻き込まれ、施設にいた犬3匹とともに犠牲となった。毎日施設に通って愛情を注いだ犬たちの安否を最期まで心配した山崎さん。「天国でも3匹のお世話をしているかもしれない」と知人らはしのんだ。

     保護施設があった場所では、約20年前に約200匹の犬を飼っていた愛犬家が他界。行き場をなくした犬たちをボランティア団体が引き受け、山崎さんは十数年前から世話してきた。新しい飼い主が見つかるなどして犬は減り、最近は老犬3匹の介護を続けていた。

     6日、世話をしていた山崎さんは午後2時41分、施設を運営する長澤由起子さん(67)に「地盤が崩れました」とメールした。長澤さんらが救助を要請。山崎さんは駆け付けた消防隊員と避難途中に土砂崩れに巻き込まれ、7日午前に筑紫野市内の水路で見つかった。

     長澤さんが9日に現場に入ると、3匹の犬も施設ごと消え、崩落した林道が無残な姿をさらしていた。「どうかして犬を助けたい」。土砂崩れに巻き込まれながらも送信された山崎さんの最後のメールに、長澤さんは「すべての命を大事にするというメッセージを残してくれた」と目を伏せた。

     10日にあった葬儀の会場には、山崎さんが施設から自宅に連れ帰って飼っていた愛犬クロの姿もあった。「クロちゃんがさみしそうな顔をしていた。最後まで自分だけ逃げようとせずに犬を守ろうとしてくれた」。長澤さんは目頭を押さえた。【末永麻裕】

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