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社説

西日本豪雨から1週間 住宅再建の救済策が必要

 西日本豪雨で、大雨特別警報が最初に出されてから1週間がたった。死者は全国14府県で190人を超え、行方不明者の捜索も続く。

     土砂崩れや洪水などによって被害を受けた家屋は、2万6500棟に上っている。住民にとって住宅の再建問題が今後重く肩にのしかかる。

     住宅の再建を支援する法律が被災者生活再建支援法だ。大規模災害に適用され、水害の場合、住宅の流失や床上1・8メートル以上の浸水があれば「全壊」とみなされ、最大300万円の公費が支払われる。ただし、床上1メートル未満の浸水などは「半壊」扱いになり、支援の対象外だ。

     住宅の中に汚泥や水が大量に流れ込んだ場合、水分を含んだ住宅はもろくなる。たとえ水が引いてもそのまま住み続けるのは難しい。支援法の対象外でも、修繕や建て替えが必要な住宅は少なくないだろう。

     住宅という私有財産が災害によって損なわれた場合、どこまで公的に支援するかという問題はある。それでも、財産を失いさらに自力再建を求められる被災者の立場は厳しい。

     支援法の限界については、過去の災害でも議論されてきた。一部損壊は支援法の対象外だが、一昨年4月に起きた熊本地震では、修理費用が100万円以上かかった一部損壊の住宅が9000以上あったという。

     こうした制度の穴を埋めるため、県や府など自治体独自に住宅被害に対する支援金を支給するところもあるが、一部にとどまっている。

     毎日新聞が昨年、47都道府県と20政令市の首長を対象に実施したアンケートでは、8割の首長が法の適用要件の緩和や支給対象の拡大が必要だと回答した。一部損壊世帯への救済策は6割が「必要」だとした。

     支援法の財源は、都道府県拠出の基金で、支出した半額を国が補填(ほてん)する仕組みだ。国は、南海トラフの巨大地震や首都直下地震などの発生が懸念される中で、幅広く住宅再建を支える仕組みは難しいとの判断があるのかもしれない。

     それでも、今回の水害の惨状に照らせば、救済策が必要だ。これだけの災害国家である。今後も災害は繰り返すだろう。その中で公的にどこまで補填するのか。住宅再建の支援のあり方について、議論を深めていかなければならない。

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