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余録

イタリアの最南端にあるランペドゥーサ島は…

 イタリアの最南端にあるランペドゥーサ島は透明度の高い海で知られ、夏はバカンス客が訪れる。同時にアフリカから難民・移民が船で地中海を渡る欧州の玄関口の一つであり、映画「海は燃えている」(2016年)の舞台になった▲映画は島民と難民の姿を淡々と描いたドキュメンタリーだ。自ら移民であるジャンフランコ・ロージ監督は昨年来日した際「より多くの国々が難民・移民危機に関与し、責任を負い始めることが重要だ」と語った▲ところが最近、事情は厳しい。イタリアは先月、約630人の難民を乗せた非政府組織(NGO)の救助船の入港を拒み、隣国マルタも嫌がり、結局スペインが辛うじて受け入れた。難民をめぐり多くの国々が責任と負担から腰をひき、欧州連合(EU)は解決策を見いだせずにいる▲国際移住機関(IOM)によると、今年前半、地中海から欧州入りした難民・移民は約4万6000人で、1412人が海にのまれて死亡した。粗末なゴムボートなどが転覆した例が目立ち、世界の海でも死者数は突出している▲難民・移民の多くは密航業者に多額の金を支払い、ぎゅう詰めの船に乗る。命がけになれるのは、エリトリア、エチオピア、ソマリアなど政情不安の母国と悲惨な生活から抜け出し、欧州に新天地を求める希望があるからだ▲日本で「海の日」のきょう、地中海ではまた新たな難民の船がこぎ出すことだろう。アジアにもいるかもしれない。決して悲しい海であってはほしくない。

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