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社説

高まる熱中症の脅威 弱者を支える対策強化を

 日本列島各地で厳しい暑さが続いている。気象庁は、西日本と東日本では7月下旬にかけて高温が続き、35度以上の猛暑日が続く所もあるとして警戒を呼びかけている。

     心配なのが熱中症だ。中でも記録的豪雨に見舞われた西日本の被災地では、炎天下での復旧作業や慣れない避難所生活などにより、熱中症にかかるリスクが高まりかねない。

     現場では、こまめな水分や塩分の補給、冷房の適切な使用など、熱中症予防を心がける必要がある。

     熱中症は、暑さで体温を調節する機能がうまく働かなくなることで起きる。けいれんやめまいなどの症状があり、重いと命にかかわる。症状が出たら涼しい場所に移動し、水分を補給する。回復しなければ、医療機関を受診した方がいい。

     地球温暖化に伴い、熱中症の脅威が高まると予測されている。

     気象庁が全国13地点を観測した結果では、2017年までの30年間の猛暑日の平均年間日数は、1960年までの30年間に比べ倍増した。環境省が東京都と政令指定都市で救急搬送された熱中症患者数を調べたところ、10年以降に大きく増加していることが分かった。

     特に注意が必要なのが、65歳以上の高齢者や乳幼児など、「熱中症弱者」と呼ばれるグループだ。

     高齢者は体温調節機能が低下し、暑さやのどの渇きも感じにくくなっている。運動や仕事で体を激しく動かさなくとも、高温の室内で過ごすことで熱中症になることが多い。1人暮らしだと、なおさら気づくのが遅れがちになる。熱中症で死亡する人の約8割は高齢者だという。

     乳幼児は、体温調節機能が未発達なうえ、体が小さいので、地面からの熱を大人よりも受けやすい。

     今国会で、地球温暖化に伴う被害を軽減するため、自治体に対応を促す気候変動適応法が成立した。

     同法は、気候変動に起因する健康や生活環境の悪化に対処する計画作りを自治体に求めており、熱中症対策はその柱の一つとなる。

     熱中症弱者に猛暑の情報を届ける仕組み作りや、近隣住民同士での注意喚起の声かけなどの対策は、他の災害への備えとしても役立つはずだ。地域の実情に即しつつ、取り組みを進めてほしい。

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