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社説

受動喫煙対策法が成立 健康被害の防止に万全を

 他人のたばこの煙で健康被害を受けることがないよう、規制を強化する改正健康増進法が成立した。

     多くの人が集まる建物内を罰則付きで原則禁煙とする初の法律だ。受動喫煙がもたらす健康被害の大きさを認識し、抜け道を許さない規制を徹底すべきである。

     改正法により、病院や学校、行政機関、保育園は屋内完全禁煙となる。飲食店や職場などは原則禁煙とし、煙が外に漏れない喫煙専用室での喫煙は認める。悪質な喫煙者には最大30万円、施設管理者には最大50万円の過料を科す。

     飲食店は当初、例外なしの禁煙とする予定だったが、飲食業界や自民党内からの反対が強く、緩い規制となった。資本金5000万円以下で客席面積100平方メートル以下の既存飲食店を「例外」として扱い、店頭に「喫煙可」などと表示すれば店内で喫煙できるという。

     「例外」とされる店は全体の55%を占める。小規模店を含めすべての店舗をチェックするのは難しく、法規制の甘さは否定できないだろう。

     改めて受動喫煙のリスクを周知徹底させる必要がある。受動喫煙による肺がんや心筋梗塞(こうそく)、脳卒中などで年間1万5000人もが死亡しているとの推計がある。乳幼児突然死など幼い子どもへの影響は深刻だ。

     国の規制は最低限に過ぎない。

     東京都は受動喫煙防止条例を制定し、飲食店の面積には関係なく原則禁煙とした。都内の飲食店の84%で喫煙できなくなる。同様の条例は他の自治体にもある。

     憲法は自治体が法律の範囲内で条例を制定できると定めている。地方の実情に応じた規制が必要な場合は、法律より厳しい規制を含む条例も認められるとされている。現実に環境や福祉に関する条例には法律を超える内容のものが多数ある。

     東京都は2020年五輪・パラリンピックの開催地であり、「たばこのない五輪」を求められている。飲食店の数も多く、特段の対策が必要だ。住民の健康を守る自治体の取り組みを広げていくべきである。

     規制だけでなく、店舗や施設の自主的な取り組みを顧客や住民が評価し、後押しする流れを作ることも必要だ。受動喫煙防止の意義を国民全体で共有しなければならない。

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