メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

訃報

橋本忍さん100歳=脚本家「生きる」「七人の侍」

橋本忍さん=2008年撮影

 映画プロデューサーで、黒沢明監督の作品などの脚本家として知られた橋本忍(はしもと・しのぶ)さんが19日、肺炎のため死去した。100歳。葬儀は近親者のみで営む。喪主は長女で脚本家の綾(あや)さん。

 兵庫県生まれ。第二次世界大戦開戦前後に軍隊で肺を病み、療養中に伊丹万作監督に習作シナリオを送る。伊丹門下で脚本を学び、黒沢監督に芥川龍之介の「藪の中」を脚色したシナリオを見てもらう。それを1950年に黒沢監督が「羅生門」として映画化。映画はベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞する。以降、小国英雄さん、菊島隆三さんと共に黒沢作品の脚本を手がけ「生きる」「七人の侍」「生きものの記録」「蜘蛛巣城(くものすじょう)」「隠し砦(とりで)の三悪人」「悪い奴ほどよく眠る」を共同執筆。黒沢監督の全盛期を支えた。

 社会的なメッセージを込めた骨太の物語が特徴。戦犯に問われた兵士の苦悩を描いたテレビドラマ「私は貝になりたい」や、映画「切腹」「上意討ち」などの時代劇、「張込み」などのサスペンス、終戦の日を描いた「日本のいちばん長い日」、SF大作「日本沈没」など幅広く手がけた。

 73年には松竹の野村芳太郎監督ら6人で「橋本プロ」を設立。自身の脚本で、野村監督の「砂の器」(74年)、森谷司郎監督の「八甲田山」(77年)などを製作、いずれもヒットした。自身も「幻の湖」などを監督した。生涯の脚本作品は70本以上に及ぶ。亡くなる数日前までワープロに向かい、古代をテーマにした小説「天武の夢」の執筆を続けたという。

毎日映画コンクールでは、「生きる」(52年)▽「真昼の暗黒」「白扇」(56年)▽「張込み」「鰯雲」「夜の鼓」(58年)▽「黒い画集」「いろはにほへと」(60年)▽「白い巨塔」(66年)▽「砂の器」(74年)と、脚本賞を6回受賞し、歴代最多。

「世界に誇る映画人を失った」

 映画監督の山田洋次さんの話 構成の鬼といわれたこの人から、シナリオの根幹はフレーム(骨組み)にあるということを、ぼくはたたきこまれるように教わった。まさに“師”の名に値する人だった。黒沢明と共に「羅生門」や「七人の侍」を世に出した、日本が世界に誇るに足る偉大な映画人を、ぼくたちは失った。

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 強制性交等・監禁 県立病院の元看護師起訴 /福井
  2. もとをたどれば 鳥貴族 全品均一価格、成長の力に
  3. 首相検討 甘利氏、党要職起用へ 2日に閣僚認証式
  4. 防弾少年団 秋元康氏作詞の新曲発表中止 ファン批判で
  5. 司法試験 最年少合格は慶大1年生「周りの人たちへ感謝」

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです