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余録

ネット検索で「天職」と入力すると…

 ネット検索で「天職」と入力すると、天職の見つけ方や天職探しにかかわるサイトがドッと出てくる。自分に合ったやりがいのある仕事としての「天職」を求める若い人たちの切実な表情が浮かんでくる▲天職といえば、職業を表す英語の「ボケーション」、ドイツ語の「ベルーフ」も元は神様からの呼び出し--「召(しょう)命(めい)」のことだった。英語の「呼ぶ」の動名詞「コーリング」が職業の意味なのも、神様の呼び声に由来するわけである▲だから天職を探す若い人は、時に天、あるいは神様の呼び声に耳をすますのもいい。そう考えると、この世には人の心に使命感を呼び起こす「声」はたくさんある。たとえば虐待を受ける子どもが助けを求める声なき呼び声はどうか▲東京で5歳の女児が「ゆるして」という文章を残して虐待死した事件を受け、政府は4年間で児童福祉司を約2000人増員する緊急対策を決めた。今後は子どもの安全確認のための児童相談所の立ち入り調査が原則ルール化される▲逃げ場のない家で虐待を受ける幼子には、責めさいなまれることが世界のすべてである。その声が文字に残された先の事件だった。このか細い声を聞きつけ、虐待から救い出す職務ほどに天が人を呼び出しそうな仕事はそう多くない▲何も天職を探す若者に児童福祉司の増員を伝えようと、こんな話の運びにしたのではない。ただ、幸薄いまま天に召された女児の言葉を自分への「呼び声」として聞いた若者がいたとしてもおかしくはあるまい。

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