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社説

西日本豪雨の災害ごみ 復旧へ広域支援の強化を

 西日本を襲った豪雨で、大量に排出された災害ごみが復旧の妨げとなっている。被災自治体の通常の処理能力を超えており、道路脇などに残されている。

     猛暑が続く中、処理が遅れれば悪臭など衛生面の問題も拡大しかねない。政府は自衛隊員の増派などの措置をとっているが、自治体間の広域連携などを並行して強化し、迅速な処理につなげてほしい。

     岡山県倉敷市真備町地区では、高梁川の支流で堤防が決壊し、地区の約3割が水没した。被災した家屋などの片付けが進むにつれ、泥水につかった家具や家電などの災害ごみが支流に沿って走る国道沿いなどに大量に置かれるようになった。

     自衛隊員らが撤去作業を進め、地区内の中学校などに設けられた仮置き場に運び込んでいる。他の自治体から収集運搬車両も派遣された。

     倉敷市によれば同地区の災害ごみの推定発生量は7万~10万トンと膨大だ。学校の仮置き場から別の場所への運び出しも始まったが、仮置き場の解消にはまだ時間がかかる。

     その他の被災地の多くも、災害ごみの処理が課題となっている。

     水分を含んだ災害ごみには、腐敗しやすいものがある。早急な作業が求められる。一方で、作業時には感染症や熱中症への警戒が必要だ。

     政府は、環境省が窓口となって自治体をまたいだ災害ごみの広域処理を進める考えだ。民間の処理施設などの協力も仰ぎ、こうした問題への対処を着実に進めてもらいたい。

     災害ごみの処理は撤去だけでは終わらず、分別した上で焼却や埋め立て、再資源化をする。その際には、自治体に対する政府の柔軟な財政措置も欠かせない。

     政府は2014年、東日本大震災を教訓に、災害ごみの発生量や収集運搬方法、仮置き場、近隣自治体との連携などを盛り込んだ「災害廃棄物処理計画」の策定を自治体に求めた。しかし、策定済みの市区町村は16年度末で24%にとどまる。今回の被災地の多くも未策定で、対応が遅れたケースもあったようだ。

     災害ごみの処理は、被災後の住民の生活を左右する問題だ。規模の小さな自治体が単独で処理計画を策定するのは難しい面もある。政府が積極的に策定を支援すべきだ。

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