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【大相撲名古屋場所14日目】栃煌山(左)を寄り切りで降した御嶽海=ドルフィンズアリーナで2018年7月21日、兵藤公治撮影

14日目(21日・ドルフィンズアリーナ)

 関脇・御嶽海が平幕の栃煌山を降し13勝1敗とし、千秋楽を待たずに初優勝を決めた。御嶽海は25歳で、平成生まれの優勝は2015年夏場所を関脇で制した照ノ富士以来2人目、日本出身力士としては初。

     長野県出身力士では、現行の優勝制度が確立した1909年夏場所以降、初の制覇になった。日本出身力士の優勝は昨年春場所の横綱・稀勢の里以来、8場所ぶり。

     アマチュア相撲の実績から15年春場所に幕下10枚目格付け出しでデビュー。所要21場所での初優勝は、年6場所制になった58年以降、出島と並び3番目の速さになった。付け出し資格が認められた力士の優勝は01年秋場所の琴光喜以来、6人目。出羽海部屋力士の優勝は80年初場所の三重ノ海以来で、50回目となった。


     =十両勝負=

    千海 つきおとし   霧馬

    矢後 よりきり    誉富

    東龍 うわてだしなげ 臥牙

    希善 うわてなげ   青狼

    翔鵬 よりきり    徳勝

    若隆 よりきり    英海

    隆勝 こてなげ    志摩

    安美 はたきこみ   旭秀

    琴勇 はたきこみ   翔猿

    貴岩 はたきこみ   水戸

    千皇 よりきり    大奄

    照強 おしだし    貴源

    豪風 ひきおとし   美海

    明瀬 よりきり    剣翔

    中入後(数字は対戦成績)

    1 竜電  寄り切り  佐田海 1

    3 隠岐海 寄り切り  荒鷲  4

    3 北勝富 突き落とし 千代丸 0

    5 千代翔 浴びせ倒し 錦木  0

    1 碧山  はたき込み 旭大星 1

    3 阿武咲 引き落とし 宝富士 0

    3 大栄翔 はたき込み 石浦  2

    1 朝乃山 押し出し  遠藤  2

    1 大翔丸 押し出し  琴恵光 0

    1 嘉風  寄り倒し  明生  0

    8 妙義龍 すくい投げ 魁聖  6

    3 貴景勝 押し出し  勢   0

    1 阿炎  突き出し  正代  1

    8 千代大 寄り切り  玉鷲  5

    5 輝   押し出し  松鳳山 0

    6 御嶽海 寄り切り  栃煌山 1

    8 逸ノ城 引き落とし 豪栄道 7

    1 豊山  押し出し  高安  0


    弱点克服 25歳の新星

     相撲を取り終えた直後に全く表情を変えなかった御嶽海が、テレビのインタビュー中に言葉に詰まり何度も目頭を押さえた。「すごい緊張した。周りの声援を聞いて、優勝しないといけない感じになって……。何とか勝てました」。初優勝の重圧から解放された瞬間だった。

     三役経験豊富な栃煌山との一番。「稽古場(けいこば)で勝つ時は、もろ差しになっている」とイメージしていた。けんか四つの相手に立ち合いで差し勝って左を差す。攻め手を封じた上で右を巻き替え、懐に入って一気に出た。

     13個の白星を積み上げられた要因を「出足を止めないようにやった結果、速い相撲につながった」と御嶽海は言う。押し相撲が身上だが、時に上体を起こされる。それが、9場所連続で三役を務めながら、先場所まで2桁勝利に届かなかった一因だった。今場所は体を起こされないように前みつを取ってから出る攻めも見せ、弱点を克服した。

     2015年春場所で初土俵を踏んでから3年4カ月。「順調だったかな」と振り返る。3横綱全員不在に加え、新大関の栃ノ心もけがで途中休場。主役たちの離脱が相次いだ名古屋場所で、三役常連の25歳が、新たなヒーローとして輝いた。【藤田健志】

    9月秋場所、大関取りへ

     日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は21日、名古屋場所で初優勝した御嶽海について「来場所は、そういうことになると思う」と述べ、9月の秋場所は大関昇進がかかる場所になると明言した。

     大関昇進の目安は「三役で直近3場所33勝」とされる。御嶽海は先場所に小結で9勝、今場所は関脇で既に13勝を挙げている。八角理事長は今場所、3横綱1大関が休場したことも踏まえ、「来場所は真価が問われると思った方がよい」と語った。【飯山太郎】

    長野県出身、初の幕内V

     長野県出身で初の幕内優勝力士になった御嶽海は、小学1年で相撲を始めた。木曽青峰高に進み、2010年に国体の少年男子個人で3位。東洋大4年時に学生横綱とアマチュア横綱の2冠に輝いた。アマ相撲の強豪、和歌山県庁への就職が内定したが、名門の出羽海部屋の再興を期待されて入門。15年春場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。

     長野県は江戸時代に伝説的な名力士・雷電(1767~1825年)を出したが、有力力士が不在だった。御嶽海は15年九州場所で新入幕を果たしたが、これは1972年の大鷲以来で43年ぶり。16年九州場所の新三役昇進は、32年の高登以来、84年ぶりだった。

     アマチュア時代の実績から前相撲を経ずに初土俵を踏む、付け出しからの優勝者は、66年にルールが明確化され、適用第1号となった輪島が72年夏場所を制したのが初。輪島も含め過去5人は、幕下最下位格で付け出された力士だった。

     日本相撲協会は01年初場所から付け出し資格を厳格化。資格が取得できるのは全日本選手権や全国学生選手権の主要4大会に限定した。御嶽海は厳格化後に初土俵を踏んだ初の優勝者になった。【飯山太郎】

    出羽海親方「ほっ」

     ○…初優勝を決めた御嶽海の師匠、出羽海親方(元前頭・小城ノ花)は「うれしいし、ほっとした」と感極まった表情を見せた。勝因については「立ち合いの踏み込みがよかったので、先手が取れていた。一番一番の集中力もあった」とした。角界の名門とされる出羽海部屋としては1980年初場所の三重ノ海以来38年ぶりの優勝。「私が入る前の話なのでまったくわからない。でも名門、伝統と言われてきた」と2014年の部屋継承以来、重圧があったことを吐露した。


     ◆優勝者略歴

    幕内

     御嶽海(みたけうみ、西関脇)本名・大道久司。長野県上松町出身。出羽海部屋。25歳。東洋大4年の2014年、学生横綱とアマチュア横綱のタイトルを獲得し、15年春場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵。180センチ、167キロ。


    御嶽海の三役での成績

     場所    地位  成績

    2016年九 小結  6-9

      17年春 小結  9-6

      17年夏 小結  8-7

      17年名 関脇  9-6

      17年秋 関脇  8-7

      17年九 関脇  9-6

      18年初 関脇  8-7

      18年春 関脇  7-8

      18年夏 小結  9-6

      18年名 関脇 13-1

     ※九は九州、名は名古屋。18年名は14日目までの成績


    付け出しで優勝した力士一覧

    初優勝場所 しこ名 地位 所要場所数 出身大 最高位

    1972夏 輪島  関脇 15    日大  横綱(14)

    1985春 朝潮  大関 43    近大  大関(1)

    1999名 出島  関脇 21    中大  大関(1)

    2000初 武双山 関脇 43    専大  大関(1)

    2001秋 琴光喜 前2 16    日大  大関(1)

    2018名 御嶽海 関脇 21    東洋大   (1)

     ※御嶽海は幕下10枚目格付け出しで初土俵。他は幕下最下位格付け出し。カッコ内数字は通算優勝回数


    部屋別優勝回数5傑

       部屋   回  主な優勝力士

    (1)九重   52 千代の富士(31)

               北の富士(10)

    (2)出羽海  50 常ノ花(10)

    (3)高砂   45 朝青龍(25)

    (4)二所ノ関 42 大鵬(32)

    (4)宮城野  42 白鵬(40)

     ※力士は2桁優勝者のみ。カッコ内数字は優勝回数

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