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社説

児童虐待防止の緊急対策 できること何でもやろう

 東京都目黒区で女児が十分な食事を与えられずに死亡した事件を受け、政府は緊急対策をまとめた。

     児童相談所で働く児童福祉司を2022年度までに約2000人増員する、子どもと面会できず安全を確認できない場合の強制的な立ち入り調査をルール化する--などが緊急対策の柱だ。

     児相の体制強化は急務である。この10年で児相が対応する虐待件数は3・3倍にも増えたが、児童福祉司は1・5倍程度しか増えていない。

     16年に政府が策定した「児相強化プラン」では19年度までに児童福祉司を550人増員することになっていたが、計画を見直して22年度までに約2000人増やすことにした。現在の児童福祉司は約3200人であり、大幅な増員ではある。

     児童福祉司は国家資格ではなく、社会福祉士などの資格を持った人、大学で社会学や心理学を学んだ人などの中から自治体が任用できることになっている。

     親が虐待を否定し、子どもの安否が確認できない事例も多い。資格を持っているだけで十分に対応できるものではないだろう。今でも児相の現場では経験の浅い職員が多いといわれる。どうやって職員の対応能力を上げていくのかが課題だ。

     虐待する親から子どもを引き離しても、最終的には親子関係の修復を目指すというのが伝統的な児童福祉の考え方だ。児相による強制的な立ち入り調査は現在も認められているが、あまり実績がない。親子の修復を重視するあまり、分離をためらう傾向が強いためといわれる。

     「安全を確認できない場合は原則立ち入り調査」が緊急対策に盛り込まれたのは重要だ。実効性を上げるには、それぞれの児相が「保護者の意に反しても子の安全を守る」「保護者との関係構築を図る」という別々の機能を担うチームを持つ必要があるだろう。警察との連携強化も検討すべきだ。

     乳幼児健診を受けていない、保育所や幼稚園に通っていないという子どもの情報を9月末までに集約し、必要な養育支援を行うことも盛り込まれた。

     児童虐待の防止に即効薬はない。国も自治体も必要と思われることは総力を挙げて実施するほかない。

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